Archive pour 料理 cuisine

ニワトコのレモネード

夏至に向かってフランスですることとは、森の中を散策し、野草を採取するということです。
聖ヨハネの草とよばれるオトギリ草は、宵闇に露玉を光らせ,檸檬にも似た芳しい香を放ちつつ,その神秘の力を発揮したそうです。
黄色い花弁の命は短く、ただ一年で一番陽が長い時期に摘むそれは、不思議な効果があったとか…
他にも、ミント,ゼニアオイ,タイム,コバノシナノキ,ヘンルーダ,ヴァーベナ,カノコソウ,ニワトコ,ヨモギ,カモミール。

そして芳香まとうニワトコの花ではシロップ、ソーダ水を作ることができます。
作り方は簡単で、水にレモンと砂糖、そしてお花を入れて発酵させるだけ。
3週間目にはシュワシュワのレモネードができます。

野草と共にある時間、それが生きるということであると思うのです。

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お気に入りのコップもいいけれど、ちょっといいことした後に、Baccaratのシャンパングラスで飲むというのも乙です。

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これがオトギリ草

自家製のソーダBaccaratで飲む夏日

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今宵は鮨をつくるとしましょう

外食をすることがめっぽうなくなってしまい、
さて食べたいものは作るしかない時勢。

マグレブのお父さんたちがつくるうまいクスクス、ベルビル界隈であれば6ユーロもだせばおかわり自由で食べられるものの、(この店はovniの記事に書きましたhttps://ovninavi.com/770pascher/))今は家で作るしかない。

次に食べたいものは?
….お鮨ですね。作るとしましょう!
幸いお世話になっている魚屋さん、そして釣り好きの友人から
新鮮な海の恵みをいただきます。
家庭の素朴なお鮨ですが、それもよしといたしましょう。

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フランス人はトロをほぼ食べないからなあ…
魚屋の店主と目が合ったその瞬間ウインク。無言でトロを包んでくれます。

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ミシェルさんは大の釣り好き。
外出規制が解除となりさっそく鯖を釣って届けてくれました。
フランスで作るなんちゃって鯖鮨、関西人に怒られそうですね。
私の両親が育った伊勢志摩では片口鰯、志摩半島以南は熊野灘にかけては秋刀魚。
紀伊半島の光りものの食べ方の妙です。

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イカはバジルと無農薬レモンの皮、オリーブオイル、
ゲランドの天然塩を添えてイタリアンに。
ワタは一旦冷凍してから塩辛をもちろん作ります。
塩加減はこの場合塩梅ではなく、イカの重さに対して10%を守ります。

飯を炊き夕餉をにぎり梅雨始む

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小麦粉のレシピ

けいそうビブリオフィルでのweb連載「ごはんをつくる場所には音楽が鳴っていた」
が始まって2年目を迎えます。
ツアー中は執筆も、料理もできませんので、いや、遅筆が原因で…まだ14品しかご紹介できていないのですが、今回外出規制の中、番外編として小麦粉を使ったレシピ6品を書き終えました。
列を作ってパン屋の前に並ぶより自宅でつくる焼きたてのパンの香りの妙。
モンゴルの焼き麺、ウイグルのグシュナン、グジェールもどきに秩父のたらし焼きもどきetc…
外出の機会は増えるものの、それでも作る時間、買う時間を意識したとき、作ることへの愛情を思い出すかもしれません。

番外編ー旅する小麦――買う時間、作る時間、あなたとわたしの距離――

その1)https://keisobiblio.com/2020/05/27/nakanomaki-extra1/
小麦粉にまつわる小話とレシピ

その2) https://keisobiblio.com/2020/05/30/nakanomaki-extra2/
音楽家と農家の収入、互酬性、道化、相互扶助がキーワードとなります。

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モンゴル風焼きそば3

たらし焼きもどき2

グシュナンもどき2

麦揺れて風を探せば君の笑み

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さくらんぼの実る頃

1871年労働革命として樹立したパリ・コミューン。
軍との激しい闘いの中、立て篭もる人々を、さくらんの籠を携え看護をした
ルイーズへ捧げた歌。
弾圧下多くの人々が虐殺された「血の一週間」。
さくらんぼとは、血の色であり、同時にさくらんぼ実る頃の儚い恋、失恋の歌でもあるそうです。

恐れ多くもピアノの弾き語りをしてみました。
ユダヤの民の曲、ケーナによるテレマン、マリンバ、スティールパンによるライヒの世界をどうぞ。

2020年6月の満月のopenradioはこちらからご試聴いただけます。
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-202066-full-moon/

1) Sippur (Masada String)
2) Fantasia No.1 in A major TWV 40-2/Telemann
(Hikaru Iwakawa)
3) Le temps des cerises (Maki Nakano)
4) Electric counterpoint / Steve Reich (Kuniko Kato)

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さくらんぼのデザートで一番簡単なのは、クラフティ。

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さくらんぼを使った肉団子は、アルメニアとシリア・アレッポの名物です。

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愛情がないとちょっと作るのが面倒かな、チェリータルト。

Le temps des cerises さくらんぼの実る頃
(arr.piano.voice/ maki nakano)

闘ひし人の夏始む今日の生

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シーツを替えてバジルを摘んで

ようやく汗ばむフランスの5月。
そっと蒔いたバジルの種はこの3ヶ月ですっくと伸び、今食卓に香りを添えてくれる。
ささやかに、マルシェで求める野菜、育てるハーブと共にある生活。
音の練習は上々に空を目指して。
趣味の種採取の成果も、今夏にむかて現れてくることでしょう。

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訳もなくハートのシーツに替へし初夏

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暑さ覚えるこの時期は、バジルを添えた冷製パスタが、いい。

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From this place

茫漠たる日々の中どうやら躁のタイミングが突然到来し、昨日のopenradioはややはしゃぎすぎたかもしれません。
5月11日から解禁となる外出規制。
人々がどのような表情で街を行き交うのか、今までにない感覚に出会う気が致します。
何となく始めて登校するような気分です。

毎日の食卓もきっと様相を変えることになるでしょうか。
この場所で、この場所からできることを。

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南蛮漬けは作った翌日が、うまい。

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小ぶりな鯛のすべてをささやかな今日の命とします。

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フランスで茶碗蒸しを食すとは、昆布と鰹節でひく出汁が日本人のDNAを朗らかにしてくれるということのようです。

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5週間ぶりのマルシェの魚屋さんでは思わず鯵に鯛に蟹に手が伸びてしまいました。

暮らしとは普通の日々に鯵求む

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ドゥールーズの中庭で

もう何年も前、ドゥールーズの娘さんと彼女の元旦那さんにお呼ばれした。
そこはパリ下町20区。
あの17区のアパルトマンを離れ同居4世代の最年長者としてサロンに座るドゥールーズの奥さん、ファニー。
映画監督である娘のエミールの寛容性。
現在の奥さんであるモッド。乳のみ児は今中学生に。
女たちに囲まれ、最後までアルコールと喫煙を手放さなかったその男ローランはもういない。
残された女たちのLa vie は今、どこにあるのだろう。

彼女たちが同居するその空間とは、それぞれの玄関が中心にある大木を囲む形になっている。
それは、アフリカの女たちがごはんをつくるあの中庭を彷彿させる。
土と藁でつくった家々に囲まれた中庭には、山羊、鶏の小屋、あちらの樹とこちらの樹にひっかける洗濯ロープ。

社会的距離は体感的距離という呼び名の方がいい。
個体の幻想は今、共生の中に投影されるだろうか。

「すべてが絶えることのない相互作用の中で共存するのだ。」
      -千のプラトー- から ジル・ドゥルーズ・フェリックス・ガタリ
Ou bien

「生成変化を乱したくなければ、動きすぎてはいけない」
      -記号と事件- ジル・ドゥルーズ

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陽炎へりごはんをつくる女たち

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パリっ子の食卓

愛する人、人々のためにごはんを作る時間ほど幸せなことはありません。
それを共に分かち合う時間ほど生きていると感じることはありません。

「パリっ子の食卓」という名著を書いた、フリーペーパー・オブニーの元編集長
佐藤真さんは、ミュージシャンでもあります。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309283784/
マコトさんのフランス家庭料理のアシスタントをすることによって教わった数々。
レストラン取材ではパリ中のビストロを闊歩し、おおいに飲み歩き…
またミュージシャンとして何度かの演奏、そして録音をしました。
マルセイユ在住のロマのギター奏者、Raymond Boniとのツアーでは、男である彼らは実に工夫を凝らした手料理を作っていた。
女である私が台所に立つ出番は皆無であるほどに。

今まさに、彼は病と闘っているのですが、彼のレシピから溢れ出る
「ごはんをつくる」愛情に今、甘えています。

と同時に、テントさえない移民たちの今日のごはんを思うと、食べ物の循環の不条理に怒りを覚えることは否めません。
https://www.bbc.com/japanese/video-52253632

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おいしい一皿を作るにアーモンドを炒る。
そんなひと手間に、心うたれます。

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彼が最後につくってくれたのは、驚くなかれのうますぎるクスクスでした。

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旬の白アスパラガスには、自家製マヨネーズに泡立てた生クリームを混ぜることによって、卵の匂いが抑えられ、ふわっとした春の雲のような風味になることを学んだものです。

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今となっては私の18番になったプルーンのケーキ、ファーブルトン

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アップルタルトは生地を捏ねすぎないでサクサクにするのがこつ

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大丈夫春の静寂にゐるからね

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国に生きる、歴史に生きる

異国に生きる者を、生きるその土地の歴史はいつの日か内包するだろうか。
アイデンティティーと出自は往々にセットになっています。
古今このかた移動という方法で生き存えてきた私たちは、アイデンティティーというものが時間軸、あるいは土地土地でアップデートされることを必要とし、
また享受してきました。
そして、少しの変容と共にあるこのアイデンティティーは、出自という記憶と呼応し、命に一層の深みを与えてくれる。

今回のけいそうビルリオフィルの連載「ごはんを作る場所には音楽が鳴っていた」では、オスマン帝国という広汎な土地の中で生きてきた人々に伝わる、キョフタという肉団子です。
肉団子という系譜はスパイスにより展開されるもので、
人類の手と舌の好奇心によって今わたしたちが日常的に食べるものになっています。
ハンバーガーだって、その系譜にはいりますね。

それでは、今手の内にある時間の中で、手でこねて作るという作業をお楽しみください。

オスマン帝国の肉団子・キョフタ -国に生きる、歴史に生きる-
https://keisobiblio.com/2020/04/08/nakanomaki14/

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手の中に生まれる命春時雨

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ゆで卵100個!ジョレスの鍋

目下外出禁止中のフランスでは炊き出しにでることもできないのですが、
それでも特別許可を持っている団体は続行しているとのこと、安堵。
けいそうビブリオフィルでの連載、13皿目のレシピはマッシュルームのスープでした。お読み頂けたでしょうか?
花冷えの季節、まだまだ、温かいスープが食道から胃にほっこりと入るあの瞬間が愛おしいですね。
日本人であれば、出汁の効いたそれも、細胞が喜ぶはずです。

「ごはんを作る場所には音楽が鳴っていた」
https://keisobiblio.com/2020/03/10/nakanomaki13/

2年前、毎週通っていた炊き出し現場ー
ー難民が多く路上生活するLa Chapelle界隈で毎週月曜と火曜日に炊き出しをしているLa gamelle de jaurès ジョレスの鍋という名のアソシエーション。
ジョレスとは言わずと知れたジャン・ジョレスの名。
ボランティアが各人できる範囲で持参する約100人分の食事。
温かい飯を、できるだけ温かいままで。みな各々の大きさの飯盒を持参し、ご飯にクスクス、スープを。
わたしはバナナとゆで卵担当!
やれることから始めるしか、ないのです。

凍月の下、飯を待つ人々がいる。
彼らの目は、わたしたちの生きるを問いかけている。
http://openmusic.kyweb.fr/openmusic.jp.net/openradio/entori/2018/2/23_La_gamelle_de_jaures_joresuno_fan_he.html

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ピンクのチョッキを着て、20時からの約100食は瞬く間に胃袋に収まる。
マグレブの人々に圧倒的に「クスクス」を求め、ご飯はいつもあまり人気がない…
スーダンの難民の多さに、現実を見る。

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言うよりはまずは実行!をスローガンに。

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卵100個を次々茹でて、ホッカイロに包んで持って行きます。

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春分茶の世界から始む

佐渡の兄弟子が、「お番茶でも湯を注ぐ前に炒ってから入れてみろ、これぞ庶民の醍醐味だぞ。」というメッセージを送ってくれました。
外出禁止となったこのフランス生活で、確かに外のCafeのテラスには行けなくて、
家でのお茶の時間が多くなります。
茶道道具はある場所に置いてきてしまったので、急須で入れられる、日本でいただいた茎茶やほうじ茶を炒るとします。
その香りの芳しいこと。
祖母が作っていた、畑の畔に植えたお茶の葉を炒るあの香りがよみがえります。
トルコでもアフリカでもモロッコでも、もちろんフランスにはサロンドテがある通り、お茶の時間は誰かと過ごす大切なひと時。

茶道といえば、赤瀬川原平の「千利休 -無言の前衛-」は有無言わせず傑作です。

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あるラジオ収録のお土産でいただいたほうじ茶が香りたつこの瞬間。

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お急須はもちろん佐渡の作家さん、若林千春さんのもの。
湯飲み茶碗は奈良は秋篠窯のものを見立てる。

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東京での個展で出会う作家の仕事。

春分や一服の茶にてすべて好し

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1983年の君たちへ

新月空には星だけ。潔くはじまる虚空は春分にむけて、心の起伏に加速を促す。
1983年のCAHORSのマグナム、Chateau de Chambert。
これを飲める日がおとずれるだなんて想像だにしていませんでした。
ということで、今は亡きCAHORSが好きだった人々を想いながら、飲みながら、
そしてこの狂った今を生きる人々に思いを馳せながら、
1983年に作られた、録音された音楽を愛でたいと思います。

2020年2月24日新月のopenradioは→https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-2020224-%E6%96%B0%E6%9C%88/

00) かたちもなく寂し (Toru Takemitsu)
01) It never entered my mind (Keith Jarrett trio)
02) Girl talk (Ella Fizgerarld/Joe Pass)
03) The Lady in my life (Michael Jackson)
04) 波の盆 (Toru Takemitsu)
05) Africa (TOTO)

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春動く予感の今宵栓開けぬ

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ビストロの地下でこの日を待っていたボトルに頬を赤らめたるや

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チョコレートの思い出も

手袋をして黒服を着て大層な付加価値を着せてわたしたちの口に届くチョコレート。
スイスやベルギーのチョコレートを語る輩を前にいつも思うのです。

「原料のカカオの実がなる畑、空、収穫する人々の表情への想像力は…」

搾取ではなく、原料が、ある錬金術によって人々を魅了する食べ物になるに当然の対価としてチョコレートの存在はあるのですが、それでも、少しの想像力と共にカカオの存在を口に入れることによって、世界とチョコレートを食べるわたしたちがその瞬間同期できるといいな、と思うのです。

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メゾンドショコラはわたしにとっていつも思い出の中にある。
限定「キャビア入り(しかもペトロシアン)ショコラ」はウォッカのミニボトルも入り。箱の装飾はもちろん鮫肌!

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日本人チョコレートバイヤーの目ざとさったら。NHKで紹介されていたそうな…こんな田舎まで買い付けにくるとは。
Vannesの市場内にある絶対的にアートなチョコレートles nenettesは、中学教員をする友人の生徒であったMme.Cardonによる。

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「生産者自らが勝ち取るフェアトレード」をかかげるDARI-Kは京都から発信するチョコレート革命。

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元祖Bonnatはティム・バートンの映画「チャーリーとチョコレート工場」のスタッフがアイデアをもらった老舗。
ペルーはクストの小規模農家を渡り歩いて買ったカカオの貴重な板チョコ。

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最後はコンセプチュアルなパトリック・ロジェ。パリにあるブティックはおおよそチョコレート屋さんとは思えぬ佇まいです。

春日和クスコの味に笑み溢る

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緑を食う、ウスベニアオイの葉

冬の野菜の白の数々に魅かれる師走迫る今日。
白の中にある鮮やかな緑。
市場では香草を売るおじさんのところにバサッと置いてある草が気になる。
わさび菜のような、モロヘイヤのような、みたことのない葉。
聞けばウスベニアオイの葉だという。
ハーブティとして、美しい青を発色するそれ。

「マグレブではニンニクと一緒に炒めて食べるんだ」とのこと。
早速試してみようではないか。
しかし葉、そのものの味を確認したかったので、シンプルに茹でることに。
すると、粘りがでるではないか。
香りは野性味、歯ごたえも抜群である。

この最近、食べられる野草の本を手にしたばかり。
農薬を必要としない葉もの、食べられる葉ものに挑戦したいものだ。

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バサッという感じなのです。

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冬といえばクレソンだと思っていたが、
喜界島の泉で見つけて以来一年中食べられるものと知る。
苦味には洋ナシとロックフォールを合わせる。

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こちらも今が旬かな、芽キャベツ也。

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スタジオまで徒歩1時間30分 ースープの力にたよるー

フランスの年金改革に反対するストライキ5日目続行中!
いやはやタクシーは予約もできなければ乗り場もスト。
道端で偶然に見つけるしかない。
発見済みのTGVの切符も発車しないとのこと。
地下鉄は無人稼働1、14番線以外は全滅。

歩くしか、ない。
歩く始源。
歩く喜び。
車道と歩道の極を後ろを見ながら歩く。
楽器を背負って我ロバになる。

パリジャン、パリジェンヌ皆、歩く。
排気ガスの中を、歩く。

歩き疲れた足をよっこいしょ。
疲労困憊でも、ひとつの野菜をスープにする力を振りしぼって、
明日生きるための食事とする。

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歩く歩く、みな歩く。タクシーは真っ赤!

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車道も歩道も帰宅時間は大渋滞。

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今年もかぼちゃの出番です。

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今年も種から蒔いたバターナッツが収穫できたと。

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街角ではスープコンペティション。
ストでも笑顔を忘れずに!

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みんなスープで温まろ!

名の木枯る間の間に見入る吐息かな

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ヤマウズラ

ぶどうの収穫も、キノコの収穫も終わり、畑にはポロネギが少し残るのみ。
ジビエはといえば、今からうまくなる猪横目にかわいらしい
ヤマウズラを調理するとします。
ちょっと淡白になるがゆえにラードンの薄切りを巻いて、
じっくりとココットで火を入れる。
教えてくださったのは映画編集の生業にするキャティさん。
一人の生活にもこうやってつくる喜びを保つ彼女に、脱帽するのです。
ノマッド生活でもごはんをつくる時間があるだけで、生きることをあきらめないでいいのだと感じるものです。

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ささいなこんな作業で肉の味は一段と旨味を増す。

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フランスではちりめんキャベツを使うところだが、ところがどっこい白菜が、合う。

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今回はBeaumes de Veniseの爽快な赤を。

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こういう料理には純粋にCote du Rhoneが合うと思う。

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Valenceにはうまいレストランが多々ある。
このchapelleは、その名を「旅する者のチャペル」という。

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オー・ミラドー勝又登シェフ

立冬箱根の山肌は煙を放ち、山そのものをガスが覆っています。
山中にオーベルジュをつくるという発想は、都市で料理を作る、自分のペースで作ることのできぬことに
心が悲鳴をあげたから、とのこと。
深き深き場所に在る食の姿。
人々は勝又シェフの料理を求めてこの山中へ、時間をたっぷりとかけて訪れるのでしょうね。
日帰りで箱根と遠き地を行き交う私のような馬鹿者なんて、彼のつくるごはんを食べる資格はないのかもしれません。
しかし、それでも今日口にした桃源台の空気の中でいただくごはんに、敬意を表したいのです。

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食感を楽しませると同時に、滋養としての生姜の風味がブリックの皮の中にカニと共に包まれている。
スープに浸しては風味が溶ける魔法。

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アミューズのアイデアには唸るしかない。
ブーダンはもちろん林檎と合わせて、季節の柿を見立てたスプドポワソンのムース。

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穴子とクルジェットの皮のソース、そんな発想どこからくるのだろ。
もちろん荒削りにした山椒を添えて。

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来年勝又シェフの料理と共にある、音世界の場をつくることになりました。
未来のことはわからないけれど、それでも箱根のジビエを食せる時期の再会を祈るのです。

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山肌から立ち上がるその煙は地球が生きているという証。

人知れず時を喰ふのか秋の山

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秩父のウイスキーは秋が似合う

 シングルモルトに魅了されたのは、高校生の時に父と通ったBAR D・HAMMETTの女性バーテンダーのおかげ。
今では日本のウイスキーは世界のファンを虜にし、入手できぬほど。
その中でも秩父のIchiro’s Maltの存在は群を抜いています。
11月に生まれた人々を祝うために訪れたこの地で、ここでしか味わえぬ銘酒を。
誕生日を迎える人々その存在を肯定できる空間にシングルモルトがある、
至極の時となるのでした。

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秩父シリーズ

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麻雀の牌に見立てたボトルの名前、意味深ですね。

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量り売りをしている酒屋さんの屋号も、意味深ですね。

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Ichiro’s Malt高島屋限定ボトル…
その背後には、ギターの音で空間の次元をかえる奏者が。

奥深く秩父は秋気味わゐぬ

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アルバニア、物語をきくという行為

けいそうビブリオフィル9月の連載レシピは、最近よく演奏するようになった、
アルバニアのクラリネット奏者がおしえてくれる、ブリク。
内容はこちらから読んでいただくとして…
https://keisobiblio.com/2019/09/29/nakanomaki12/
どの見解が正しいのか、第三者、メディアを通じてのジャッジにゆだねている現状をよくみますが、ジャッジは必要なく、当事者の物語にどれだけ耳を傾けることができるか、が目下の必要事項。
かたいことはさておき、 秋の夜長、うまいブリクを作ってみましょうか。

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蕎麦の花、曼珠沙華、秋満載の季節の中に、高き香りが漂いはじめました。

旅立ちは別れの予感金木犀

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腕時計ー時間

アフリカのことわざに

「白人の貴方がたはすばらしい腕時計を持っていますね。
わたしたちは時間を持っています。」

というものがある。
当方ただいま現在腕時計を持っていない。時間は…?
目下金がないことは明確だ…

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隣人からいただくグリーンピースのさやを剥く時間。

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友人の庭に育ったルバーブの薄皮をむき、タルトを作る時間。

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落穂から咲いたボラージュBourracheを摘む時間。

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月桂樹の生育旺盛なこと。いたるところの土から新芽がでている。
ローリエワインが発酵する時間。

夏の空時間の中に浮かぶ雲

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死にまっすぐ直結するような

小暑迎え、都の人々は祇園さんのコンチキチンが流れる毎日の日々だろうか。
枇杷に木苺に新じゃがも今年は豊作。
生の熱気がただようものの、やがては果てる行く末を想像せずにはいられない。

長い付き合いになる方が檀一雄のこんな一節を送ってくれた。

「自分の死にまっすぐ直結するような、簡素で悠々たる自分の人生を作り直してみたいのである。」

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日本では香豌豆というのかな。野生のスイートピー、はマメ科。
ええ、当然種はとっておきますよ、だれかの未来のために。

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ご近所さんから枇杷をかごいっぱいにいただけば、

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クラフティにして花も添えて、お礼のお返し。

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発酵・カリー番長・ベンガルのバオル

まるで祭りが終わったような脱力感。
「発酵文化人類学」「日本発酵紀行」の著者であられる小倉ヒラクさんの欧州ツアーが終わり、目に見えないものみな6月下弦の今日、その気配をばしばしを感じます。
講演会後の、言葉にならない聴衆のうねりは、まるで上等なコンサートを聴いた後の感動に似ています。
約2時間の講演の後、涙さえこぼれてしまいました。

パリは出会いの場所、と断言できそうです。
新著を携えてカレーを振舞ってくださったカリー番長こと水野仁輔さんの新刊、「スパイスカレーを作る」は、まるで交響楽の楽譜のようです。
セリー化されたスパイスの図はアナログシンセサイザーの音の組み合わせの図のごとく。
彼の哲学、そして音楽とカレー作りを同列で捉えたこの本は一家に一冊、かな。

うまいカレーをつくりながら、6月下弦のopenradioをお楽しみください。
hhttp://openmusic.kyweb.fr/openmusic.jp.net/openradio/entori/2019/6/25_fa_jiaokari_fan_zhangbengarunobaoru.html/

mixcloudでの試聴はこちらから
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-2019625/
/

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なんとスパイスのパズルをつくってしまったというのだから、脱帽。
スパイスを身体全体で体感する。

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明け方から5時間、うとうとしながら3kgの大豆を煮ます。
もちろん耳のお供は「M響アワー」のポッドキャスト!

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親子でつくるみそ作りワークショップはみなが持っているそれぞれの微生物でどんな味に変容するか!?

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「スパイスカレーを作る」の新刊発表は、
なんと巴里左岸の老舗ビストロを貸し切って。

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旅するごはんとおいしいサックス

来る6月2日(日)の夕方からのアペリティフは、東京は表参道で。
「旅するごはんとおいしいサックス」というコンサートを開きます。

今ややや使い古された感のある「旅する〜」、というフレーズ。
でも人生そのものが旅なのだから、いつでもどこでもだれにでもついて回るフレーズになるのかな。

当日レストランCAYのシェフにお渡しするレシピは
・ブリック
・ビーツの冷製スープ
・ホンムス
・レバノンの真正タブレ
・鶏とオリーブ、トニー農園のシトロンコンフィのタジン
・山羊のチーズと洋梨
・チーズの盛り合わせ
・ブルターニュ名物Far Breton

となります。いくつかはけいそうビブリオフィルでもご紹介しております。

演奏ートークのお相手は林田直樹さん。
武満徹さんのごはんのおはなし、もちろん音楽の話も、何がでてくるかはお楽しみ。
よき日曜の午後となりますように。

◆仲野麻紀のライヴ&トーク&ごはん
「旅するごはんとおいしいサックス」
2019/6/2(日)CAY(青山)
Open 16:00 / Start 17:00

出演:仲野麻紀(サックス)
ヤン・ピタール(ウード)
トーク:林田直樹×仲野麻紀

前売3,500円(税込・全自由席・整理番号付き)
※当日券500円増し
※当日入場時にドリンク代600円をいただきます。
※料理はオーダー制、各自ご負担下さい。
問・予約:プランクトン 03-3498-2881(平日11~19時)

CAY
東京都港区南青山5-6-23 SPIRAL B1F
TEL: 03-3498-7840

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移民たちのレシピ・夕ごはんの色

戦争というのは人が死ぬということではなく、
人が人を »殺す »ことであるという認識が必要です。
新聞には常に客観的視点が必要とされるところでありますが、
今日、パレスチナの民である3人は、自然災害なのか、癌なのか、事故なのか、
彼らの死 (mort:die)は、直接的に”誰”が手を施したか視覚化できなくとも、殺された(tuer:kill)ということを伝えるにどのような言葉を使えばいいのでしょうか。
伝える意志の中には「イスラエルにより」という意図が含まれたいるのだから、
なおさら。

ビスケット工場の装飾をそのままに使った文化施設、ナント市にあるLe Lieu Unique (場所という意味と老舗ビスケット工場の名称LUを掛け合わせている)。
始めての訪問は展覧会「KOMOREBI」。日本のアートブリュットの紹介でした。
この会場内にあるライブラリーで発見した 「La cuisine des réfugiés 移民たちの料理」を手にすれば、命からがらでフランスにたどり着いた人々の、声がレシピとなっているのです。
5月16日には、レパビュリック広場で、「夕ごはんの色」という催しがあります。

生き抜くために移動し、ある土地にたどり着いた人々を目の前に、
わたしたちは、彼らとどんなごはんを共にすることができるか。

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そう、昨日5月8日は西ヨーロッパにおける第2次世界大戦終結日。

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色々な手が交ざる。
そうか!「色々」というのは本当に「色々」なんだ!

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みんな大好き塩バター入りの Petit-Beurre LU のビスキュイ。

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移民の人々が語り、移る場所での人生とレシピの本。
日本語版がでるといいなあ。

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レイラ自身が、移民申請の対象者となりフランスにたどり着いた。
彼女の母さんからソースグレンの作り方を教わる。

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ごまごまごま-タヒニの世界-

アスパラガスを食べるにいまやオランデーズソースもマヨネーズも必要ない。
あの卵特有の鼻にかかる風味ともったり感から解放される、アスパラガスという
野菜の味が際立つに一役買うのは、タヒニ=ごまペースト。
レバノンで教えていただいたごはん作りで学んだ新境地は「つぶす」。
始源的道具と作法は今もわたしたちの手に伝わっているはずです。
日本ではこの動作が「する=おろす」に匹敵するのでしょうか。
道具の歴史と、食材の変遷。

そういえば、名古屋は八幡山古墳の近くにある、「匠味ごま家」さんことごまちゃんはどうされていらっしゃるだろうか…。

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ゼイナッドさんには「遊んでる場合じゃないわよ!もっと力を入れて、床でやりなさい!」と叱咤される。
何を何と一緒につぶすか、という秘密は次回のけいそうビブリオにて。

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ケフタ(肉団子)の胡麻ソース煮込みは2019年のユカリロへ寄稿予定。

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以前は星付きホテルで料理人をしていたという彼女。
レバノン料理はオニオンを炒めるというより揚げ炒めるのがコツとのこと。

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ビーツのペーストは早速家で復習。

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ムッターバル(ナスのペースト)にはザクロ、タコにももちろんタヒニを。
それにしてもクレタ島の漁港で干してあったあのタコを彷彿させる柔らかさに唸った。

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最近ではもっぱら水切りヨーグルトとタヒニで。
ソースにしないで、上から塩やらオリーブオイルをかけるのがいい。
個々の味が口の中で交わる醍醐味。
(ソースを作る器の洗い物も減る=洗剤を使わないですむ)
そこにミント、クルミ、スマック、山羊のトムチーズなど好みで。

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