Archive pour 俳句 haiku

楢山節考ーアンティラの豪邸

「資本主義の現実の-墓掘人-は、まるでイデオロギーを宗教とした枢機卿のように、妄想に憑かれたままその役目を終えるかもしれない。
いくら戦略に長けていたとしても、彼らには単純な事実が把握できないようだ
ー資本主義が地球を破壊している、ということを。
戦争と消費というふたつの古いトリックで過去の危機を切り抜けてきた資本主義だが、もうその手は効かない。

 私は長いあいだアンティラの外に立って、陽が沈むのを見つめていた。
その塔のような豪邸建物が、高さと同じだけ深さを持っていることを想像してみた。
そうするとそれは27階建ての根茎を持っていることになり、地面の奥深く根を張りめぐらして地球から栄養を吸い尽くし、それを煙と金に変えてしまうことだろう。」
                      ーアルンダティ・ロイ

 死の循環という希望ある世界と、飼い慣らされる生の不自由さの世界。
わたしたちの今はハイパーローカル、あるいは鶴見俊輔云う »Extremely Local »である土地土地で、ひっそりとそして揺るぎない生という時間を携える者たちへの眼差しから始まる。

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窮屈な自由の果ては首夏に死す

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皐月上弦八十八夜

自然には隷従しますが…命をないがしろにされた果て自由という名の似非社会による内的自由とどう対峙するか。
窮屈な自由。

母国を遠近からみる、そんな日々が続きます。
季語は今日から夏へと変わります。
古典声楽歌唱法タハリールの至宝、Alim Qasimovの声は、壮年よりまして御歳だからゆえの質感がたまりません。

フランスーアゼルバイジャンーペルー・アヤクーチョの音楽を、どうぞ。

0) No Title (Maki Nakano)
1) Ragalegria (Louis Winsdberg)
アルバム:Jeleo (2001)
2) Essoum Lennie-Bird (Stephan Oliva & Francois Raulin [P])
アルバム:Tristano
3) Mansuriyya (Alim Qasimov)
アルバム:Awakening
4) Pour que l’amour me quitte (Camille)
アルバム: Le Fil
5) Adios Pueblo de Ayacucho (Shin Sasakubo)
アルバム:Ayacucho I – Tradicional

2020年5月1日上弦のopenradioはこちらから
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-202051-waxing-moon/

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上弦や香も届かぬ春の距離

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ドゥールーズの中庭で

もう何年も前、ドゥールーズの娘さんと彼女の元旦那さんにお呼ばれした。
そこはパリ下町20区。
あの17区のアパルトマンを離れ同居4世代の最年長者としてサロンに座るドゥールーズの奥さん、ファニー。
映画監督である娘のエミールの寛容性。
現在の奥さんであるモッド。乳のみ児は今中学生に。
女たちに囲まれ、最後までアルコールと喫煙を手放さなかったその男ローランはもういない。
残された女たちのLa vie は今、どこにあるのだろう。

彼女たちが同居するその空間とは、それぞれの玄関が中心にある大木を囲む形になっている。
それは、アフリカの女たちがごはんをつくるあの中庭を彷彿させる。
土と藁でつくった家々に囲まれた中庭には、山羊、鶏の小屋、あちらの樹とこちらの樹にひっかける洗濯ロープ。

社会的距離は体感的距離という呼び名の方がいい。
個体の幻想は今、共生の中に投影されるだろうか。

「すべてが絶えることのない相互作用の中で共存するのだ。」
      -千のプラトー- から ジル・ドゥルーズ・フェリックス・ガタリ
Ou bien

「生成変化を乱したくなければ、動きすぎてはいけない」
      -記号と事件- ジル・ドゥルーズ

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陽炎へりごはんをつくる女たち

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ラマダン月の世界へ 少しの旅を

ラマダンがはじまり昨日の三日月それは、トルコの国旗にあるがごとくの様相。
マグレブ、アラビア半島、エジプトを始め旧オスマン帝国地域がイスラームを基とする国々にみえますが、西アフリカ・マリには泥でできたモスク・ジェンネを代表するように敬虔なモスリムがいます。
また目下某国から明らさまな民族浄化をされているウイグルの人々。
彼らもまたラマダンの最中であることでしょう。
しかし実態は同化を強制され、拉致、強制結婚、彼らのアイデンティティの基にある信仰はことごとく踏みにじられています。

少しの旅を。
それは自己が、自然あるいは他者の中に存在する感覚を得ることであると同時に、
対する何かに-Reflection- 反響、反射、反映すること。
存在の肯定・否定両者が同居していることを認識することなのかもしれません。

深い呼吸を、やわらかい笑みを、べったりと背中を床につけて。
情景は今想像の中に。静かな心象風景に音楽が囁き、沁み入らむ。

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トルコにはいつも黒海からの風が吹いている。

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ロバと移動

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最近はこういう曲をつくっています。

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ラマダンと大気祈らむ春の月

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四月の子供

生涯アルトサックスだけを吹ききったLee Konitz。
春そして、彼も不在の域へ発ち逝った。
四月を生きる子供、四月を置いていってしまった人、すべては循環の中に。
春愁、それでもいつも音楽が隣にいてくれます。

2020年4月23日新月のopenradioはこちらから
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-2020423-new-moon/

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エッサウィラの孤児院には今日も音楽がある

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一緒に巻き寿司楽しいね

Billiers小学校3
みんなそれぞれの、「海」!

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カリブの海、一緒に演奏する喜び

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カンボジアの学びの場は外だよね

そして春不在の域へ君発ちぬ

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影の質感 texture d’ombre

心は、何を支えに持ちこたえているのでしょう。
一日になんども訪れる起伏。

言葉や音楽、空や雲、会話や記憶にそれを求めることがあるかもしれません。

身体が感じ取った、あの湿度、あるいは霧たちこめはじむ土の息。
心や身体が覚えているあの質感にしばらく身をゆだねる、
というのも悪くありません。

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逝く春や影の質感残しつつ

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Lee Konitz

あなたからどれだけの、サックスの音の寛容性を、
儚さを携えうることの可能性を教えてもらったことか…
Lee Konitzの存在を知った17歳。
夜な夜な通ったジャズクラブで聞いたその音。
彼の存在を教えてくれた人はこう言いました。
「言葉を超えた美しさこそ音楽のあるべき姿です」

パリで初めてお話した時、わたしは感極まって…Leeと誕生日が同じであることは、わたしのこれからのサックス人生を支えてくれる。

ー遠いものが近いものを照らし出すように、
        近いものが遠いものを照らし出すこともあるー

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サックスの一音に落つ涙の粒(追悼句)

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諸々諦念となる

ギター笹久保伸さんとのプロジェクト。
3月のパリレコーディングから始まり6月フランスツアーも延期に。
当然ながら5月の日本ツアーも同様の延期となります。

SM:Japon:omote

SM:Japon:naka

新緑を恋ふて窓辺は今日の風

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ナブダンヤ Navdanya の9つの種

個体でいることの強み。
それでも、対相手との音楽を通じた、音の交換をする喜び、そういったささやかな、一日一日です。
openradio4月上弦の放送はエクアドルのピアノ-UKのコンクレート-NYのユダヤ人ギター-そしてあのリアーナ…
またもや狂った選曲でお楽しみください。
この選曲にニンマリするあなたにfalling love。
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-2020415-waxing-moon/

弥生燦々と注ぐ太陽に告げるメッセージは、
「ブタ箱に入れられようが、茎立ちし花を咲かせた植物の命、種を農家のごとく取り続ける」

ナブダンヤNavdanyaとは、インド哲学・環境活動家 Vandana Shiva女史率いる生物多様性の保全、有機農業、農民の権利、種子の保存プロセスを促進する非政府組織の名称です。
http://www.navdanya.org/site/

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月空に花種蒔ひて骨拾ふ

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パリっ子の食卓

愛する人、人々のためにごはんを作る時間ほど幸せなことはありません。
それを共に分かち合う時間ほど生きていると感じることはありません。

「パリっ子の食卓」という名著を書いた、フリーペーパー・オブニーの元編集長
佐藤真さんは、ミュージシャンでもあります。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309283784/
マコトさんのフランス家庭料理のアシスタントをすることによって教わった数々。
レストラン取材ではパリ中のビストロを闊歩し、おおいに飲み歩き…
またミュージシャンとして何度かの演奏、そして録音をしました。
マルセイユ在住のロマのギター奏者、Raymond Boniとのツアーでは、男である彼らは実に工夫を凝らした手料理を作っていた。
女である私が台所に立つ出番は皆無であるほどに。

今まさに、彼は病と闘っているのですが、彼のレシピから溢れ出る
「ごはんをつくる」愛情に今、甘えています。

と同時に、テントさえない移民たちの今日のごはんを思うと、食べ物の循環の不条理に怒りを覚えることは否めません。
https://www.bbc.com/japanese/video-52253632

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おいしい一皿を作るにアーモンドを炒る。
そんなひと手間に、心うたれます。

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彼が最後につくってくれたのは、驚くなかれのうますぎるクスクスでした。

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旬の白アスパラガスには、自家製マヨネーズに泡立てた生クリームを混ぜることによって、卵の匂いが抑えられ、ふわっとした春の雲のような風味になることを学んだものです。

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今となっては私の18番になったプルーンのケーキ、ファーブルトン

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アップルタルトは生地を捏ねすぎないでサクサクにするのがこつ

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大丈夫春の静寂にゐるからね

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La belle vie

昨日は尾崎放哉の命日でした。
ーお月さんもたったひとつよ(放哉)
満月のopenradioは月にちなんだ数曲を。

最近ドアが話しかけてきたり、泡立て器が突然笑ったりするので、彼らに呼応するごとく、La Belle Vie 美しき人生という曲を録音してみました。
遠隔作業という方法で録音したStephane Tsapisのピアノの上で歌います。
今宵弥生の満月のopenradioの放送は、まったりとした時間をどうぞ。
https://www.mixcloud.com/makinakano/202048-full-moon/

ジャズギター奏者でもあるSacha Distelによるこの曲の歌詞は、
ざっくりと、こんな内容です。

La Belle Vie

あゝ、美しき人生
愛はない、心配もない、問題もない
ふぅ、美しい人生か
僕らは一人ぼっち
僕らは自由
だから連れ立って歩こう

友人達と、明日を怖がらずに楽しもうよ
朝まで徹夜してさ

それにしても、人生は美しい。
愛はない、心配もない、問題もない

僕らは抱き合い、僕らは悲しくて、だから、一緒に歩こう
ところで、僕が君を愛しているって、わかるかな?
いつかそのことを君がわかる時、目を覚まして
僕はそこにいるから 君のために

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在りし日のBarに集ふたパリの春

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生の原罪 péché de la vie

アイロニーは跳ね返って今日生きるわたしたちに問う。

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連れてってあちらの世界は風光る

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花買えぬ日々

そうなんです。花屋は閉まっているのです。
外出証明書を持参しスーパーでの買い物は一日一回(500m圏内+1時間以内)でできるも、日々毎に変える花瓶の水の存在は今やありません。
それでもバルコニーに生きる野花を失敬し、あるいはカメラの中にある在りし日の花たちを愛でます。
水仙の時期は終わり目下桜に目が行きますが、連翹に雪柳、木瓜の色合いの愛らしさ。
そろそろ沈丁花の芳香に誘われし頃かな。
それでもやはり、勿忘草のささやかな存在が、今一番のやさしさです。

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忘れな草ささやかに今日生き延びて

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真正たる音楽の友

外出禁止8日目。そろそろ精神の変化が現れる頃。
こんな時、支えてくれるのは、真の音楽の友です。
物理的に会うことはできぬも、音楽の交流を図り、アイデアを語り、まだ見ぬ先に少しの希望を投げかける。
音楽は最高の恋人で時々愛人、親友で、家族。
フランス語ではCamarade=同志と呼びますが、相互に悶々とする時、いつも励ましあえるそれこそは、かけがいのないBuddyであると確信しました。

車道には孔雀、道には鶏、空にはコマドリにシジュウカラ、海にはイルカの群れ。
人類が自然を植民地にして数百年。
人類様と我が物顔で地や海や山を占領してきた今、
大気はホッとしています。

3月新月のopenradioは生演奏付きです。
閉じ込められた世界からの音楽をどうぞ。
https://www.mixcloud.com/makinakano/2020324-%E6%96%B0%E6%9C%88/

1) Ile de MIyake (maki Nakano)
2) Si la photo est bonne (Barbara)
3) Gottingen (Barbara)
4) Sara (Rokia Traore)
5) Hanter dro duhont’ar ar mane (Maki Nakano)
6) King James (Anderson. Paak)
7) Reachin’2 Much (Anderson. Paak / Lalah Hathaway)

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春迎へ街ブラックアウトになりにけり

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L’apprenti sorcier 魔法使いの弟子

統帥権、を振りかざしたその者は、魔法使いになりたかったのかな。
もし統帥機関の彼、彼らの様に再びこの魔法の杖を振りかざす者がいるならば、
鶴見俊輔が掲記する「ゲド戦記」のくだりを参考にしたほうがいいと思う。

「長(おさ)は、またこの技術が多くの危険をはらんでいることを語り、
なかでも魔法使いが自分の姿を変える時には自らの呪文から逃れられなくなる
危険を覚悟しなければならないと注意した。」
魔法を超法規として、補弼(ほひつ)という任務に伴う »責任 »に対し、
統帥権はそうでない、
と言いきった本、「統帥網領・統帥参考」(昭和3年、昭和7年発行)の
運命は→戦後一切焼却、だったという。

「この国のかたち」は、司馬遼太郎による毎月書かれた随筆。
その大正生まれの司馬遼太郎が、明治維新以降の日本のある姿を表現する時、
こんな面白い行がある。

「もし日本じたいの「近代」の要素(または風土)の上に欧米の近代を接木を
したれば、ずいぶんおもしろいことになったはずである。」

風土が異なるのに、欧米のそれ(近代)をそのままこの地で活用することは、
実に無理が生じる。思想然り、食物然り…
日本で、汗をかいた赤ワイン=(赤ワインを冷やして飲む!?!?) のボトルを見た時、
ワインの流儀には反するが、日本的飲み方の解釈に微笑ましい感情を覚えた。
そして諧謔的(開発当人は本気そのものだろうが)ワインは「赤玉ポートワイン」!
という姿に変え、見事に接木に成功している。

「生」の淵源に真っ向から立ち返るべく危機感を抱いている、
「生」という生物的湿度をもったアジアにおいて、乾燥した土地からの思想的または
経済的云々を鵜呑みにし、国の在り方に取り入れても、いずれにせよ立ち位置が
異なるのだから、相容れない。

一部が求めるリーダシップという名の魔法使い。
成熟した魔法使いを求めるのか、求める側が成熟した魔法使いに育てるのか。
ここでいう「成熟」とは、中井久夫の言葉を借りれば

「退行の泉に湯浴みして、もとのところに帰ってこられるもの」

もう一度「ゲド戦記」からの抜粋を。
「魔法というのは、その土地土地と密接にかかわりあっているという意味なんだ」

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耕人や誰にも見へぬ春仕事

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内を旅する inside voyage

ざわざわとする外の世界と、静謐を求める内。
雲烟ただよう今日、大気は春霞。
土の中で一刻一刻を生きてきたものみなたちは今、外に芽をだし、さなぎの丸々可愛らしい姿はじきに優美に空を舞う姿と変わるでしょう。

内にある世界へ耳をすませば、溢れる鼓動が聞こえてくるはずです。

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春嵐到来前の静けさや

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眠れぬ夜燻る煙草と春の暁

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アルヴォ・ペルトの中にある静寂にもたれたい

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春分茶の世界から始む

佐渡の兄弟子が、「お番茶でも湯を注ぐ前に炒ってから入れてみろ、これぞ庶民の醍醐味だぞ。」というメッセージを送ってくれました。
外出禁止となったこのフランス生活で、確かに外のCafeのテラスには行けなくて、
家でのお茶の時間が多くなります。
茶道道具はある場所に置いてきてしまったので、急須で入れられる、日本でいただいた茎茶やほうじ茶を炒るとします。
その香りの芳しいこと。
祖母が作っていた、畑の畔に植えたお茶の葉を炒るあの香りがよみがえります。
トルコでもアフリカでもモロッコでも、もちろんフランスにはサロンドテがある通り、お茶の時間は誰かと過ごす大切なひと時。

茶道といえば、赤瀬川原平の「千利休 -無言の前衛-」は有無言わせず傑作です。

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あるラジオ収録のお土産でいただいたほうじ茶が香りたつこの瞬間。

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お急須はもちろん佐渡の作家さん、若林千春さんのもの。
湯飲み茶碗は奈良は秋篠窯のものを見立てる。

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東京での個展で出会う作家の仕事。

春分や一服の茶にてすべて好し

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閉ざされた世界に今日も海満ちる

すべては他者という存在へのレスペクトから。
先達始め、アルベール・ジャカールはそこからしか
相互の存在は成り立たない、といいます。
マスクにしろ微笑みにしろ、やがて相対的に循環するそれ。
物質の対岸にある人間、ではない存在という原罪から逃れることはできません。

今日も、自然は淡々と日々の営みを続け、明後日春分を迎える初春、
それが多次元で営まれていることは間違いありません。

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閉ざされて今日満ちゆきて春の海

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影ひとつなき夜

語っても、応えてくれる人の不在は明らか。
その不在をどう肯定できるかが、諸々の瀬戸際にある。
ならばDianus(勿論アノニム)ならどういうか。
あるいはDianusから影響を受けた人はこういった。

J’aime cette douce Liberté terrestre Douloureuse 
————————苦しみに満ちた地上の、この優しい自由を愛す(Y.K)

一滴また一滴と死へしたたり落ちていった人(々)を隣に置きながら、
わたしの生のなんというみすぼらしさか。

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影ひとつなき夜を走る春の旅

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微かに揺れる夜、今宵は満月

どんな状況にあっても、音楽の隣にいたい。
そんな気持ちがつのる月夜です。

2020年3月の満月のopenradioはこちらから
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-202039-%E6%BA%80%E6%9C%88/

00) Sibel (Ricardo Moyano)

01) P.S I love you (Jakob Dinesen)

02) Coyor Panon (Detty Kumia by David Toop)

03) Folks (McCoy Tyner)

04) Last time you went (Louis Cole)

05) Night (Louis Cole)

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「ミッシェル、バタイユ…そして僕」-Musique- By ミロ

すでに時計は 思ひ出の 微かに揺れる夜を指し (北園克衛)

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夜 Night

初春満月へあと一歩。そしてもう少し待てば、春分です。
地球暦を使い始めてから銀河系と地球との壮大なリレーションを視覚で意識しつつ、実のところ、夜を迎える場所では朝が始まるという、時空の遠近的な感覚の方を身近に味わっている。
今宵、夜と友達になれますように、この一曲を。

Night
by Louis Cole
[アルバムTimeから。
KNOWERとは違う側面をもつ彼の音楽はあっぱれというほど二重人格的。だけれど核にあるのは虚無への諧謔的謳歌]


 Image de prévisualisation YouTubeWould I care if I reach my dreams? Before my time to leave?

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日脚伸ぶ午後19時の涙落つ

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だから、花をそばに

大変な時勢の中にある生活。
音楽を、花を。

2020年3月の上弦のopenradioは花を詠った楽曲ばかりをお送りします。
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio202033/

1) Lament for an orchid (Fred Herch)
ランの悲しみ

2) The flowe of Edingurgh (les musiciens de st. Julien -Francois Lazarevitch)
エジンバラの花

3) The flower of Cusco (Trencito de los Andes)
クスコの花

4) Passion Flower (Billy Strayhorn)
パッションフラワー

5) ユリの記憶 (Shin Sasakubo)

6) Fleur bleue (Charle Trenet)
青い花

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春色に誘われ起きるパリの朝

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紫陽花の季節が触れる肌の湿り

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森の中では野花を手にとって

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そして花はわたしたちの生活を共にする友達になってくれます。

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1983年の君たちへ

新月空には星だけ。潔くはじまる虚空は春分にむけて、心の起伏に加速を促す。
1983年のCAHORSのマグナム、Chateau de Chambert。
これを飲める日がおとずれるだなんて想像だにしていませんでした。
ということで、今は亡きCAHORSが好きだった人々を想いながら、飲みながら、
そしてこの狂った今を生きる人々に思いを馳せながら、
1983年に作られた、録音された音楽を愛でたいと思います。

2020年2月24日新月のopenradioは→https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-2020224-%E6%96%B0%E6%9C%88/

00) かたちもなく寂し (Toru Takemitsu)
01) It never entered my mind (Keith Jarrett trio)
02) Girl talk (Ella Fizgerarld/Joe Pass)
03) The Lady in my life (Michael Jackson)
04) 波の盆 (Toru Takemitsu)
05) Africa (TOTO)

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春動く予感の今宵栓開けぬ

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ビストロの地下でこの日を待っていたボトルに頬を赤らめたるや

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チョコレートの思い出も

手袋をして黒服を着て大層な付加価値を着せてわたしたちの口に届くチョコレート。
スイスやベルギーのチョコレートを語る輩を前にいつも思うのです。

「原料のカカオの実がなる畑、空、収穫する人々の表情への想像力は…」

搾取ではなく、原料が、ある錬金術によって人々を魅了する食べ物になるに当然の対価としてチョコレートの存在はあるのですが、それでも、少しの想像力と共にカカオの存在を口に入れることによって、世界とチョコレートを食べるわたしたちがその瞬間同期できるといいな、と思うのです。

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メゾンドショコラはわたしにとっていつも思い出の中にある。
限定「キャビア入り(しかもペトロシアン)ショコラ」はウォッカのミニボトルも入り。箱の装飾はもちろん鮫肌!

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日本人チョコレートバイヤーの目ざとさったら。NHKで紹介されていたそうな…こんな田舎まで買い付けにくるとは。
Vannesの市場内にある絶対的にアートなチョコレートles nenettesは、中学教員をする友人の生徒であったMme.Cardonによる。

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「生産者自らが勝ち取るフェアトレード」をかかげるDARI-Kは京都から発信するチョコレート革命。

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元祖Bonnatはティム・バートンの映画「チャーリーとチョコレート工場」のスタッフがアイデアをもらった老舗。
ペルーはクストの小規模農家を渡り歩いて買ったカカオの貴重な板チョコ。

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最後はコンセプチュアルなパトリック・ロジェ。パリにあるブティックはおおよそチョコレート屋さんとは思えぬ佇まいです。

春日和クスコの味に笑み溢る

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Cinque roses, Langage des fleurs

バラの想い出は枚挙に暇がありません。
フランスの花屋さんからブーケを抱いて出てくる男性の多いこと。
今年のバレンタインデーはどんな花でしたでしょうか?
あ、日本ではグローバリゼーション搾取構造の最先端をいくカカオを原料とするチョコレートでしょうか。(もちろんフェアトレードのものもありますが)
花より団子。

バラの木は何代にも残ります。
我々人類のように。本質を変えず香りや色形、バラの種類の多様性たるや。
パリ吟行のメッカといえばブーローニュの森の一部であるバガテル園。
いやいや、パリ南の郊外にはライレローズがあります。(バラ好きの聖地)。
今でも覚えているのはここへ来るためにフランスへきた知人を案内した時のこと。
5月、冬季休暇を終え開園してるとおもいきや、門は閉まっています。
しかし、余念なく働いている園芸師が私たちのために、彼自身の責任において入れてくれたのです。
そう、バラ園の貸切状態。
彼のこういう気配りは=improvisation=ça c’est la vraie vie.

一人称と目の前にいる人との関係性が生まれるその瞬間「何ができるか」という反応に応対するアクション。
守るべきものは主体となるこの関係で、いつ裏切られるかわからないしがらみではありません。

ということで、わたしは今年バラを大事な人に贈りました。
Cinque roses,
花言葉は… »C’est le plaisire que je vous ai rencontré  »

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京都花政では100本のバラが旅立ちを待つ。

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五代目主人・藤田修作さんの審美眼は山野草にありますが…

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42歳の誕生日には42本のバラを

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でも本当はこういうのが好き

冬薔薇に別れを告げて涙雨

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