Archive pour 俳句 haiku
10 mars, 2021 @ 0:27
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職業柄インタビューを受けること多々あり。
同様にインタビューをすることもそれ以上にあります。
Ovniというフランスで発行されているフリーペーパーの職業人シリーズでは、どれだけの人々と対面(一日中張り付く)してきたか。
楽しいんですよね。
対相手の核心を探る時間の妙、その瞬間を一気に感知する醍醐味。
文章という平面になり、それがいつか次元を超えて誰か、読み手の心に届く。
被写体的対象となる彼ら自身がインタビューを受けることによって見つける »何か »、その瞬間に立ち会うことになる。
わたしが今までインタビューをしてきた人々、その時間の後の彼らの表情は、いつも颯爽としたものでした。
今回は受ける側として、裸にされた気分ですが、それでも、JazzTokyoの編集長稲岡さんの提案に感謝いたします。
こちらのサイトから→
→https://jazztokyo.org/interviews/post-62685/

朝靄に道標なく生きる春
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9 mars, 2021 @ 0:06
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だからその関係性にハーモニーをみつけたいと思うのは当然のことと思います。
次元の中にあってあちらやこちら、そして核の位置を認識する。
今一度、萃点からはじめようと思うのです。

写真は熊楠の萃点ではなく、François Morelletの作品。
まさに東洋と西洋の時間の見方の差異とでもいおうか。
浮遊して彷徨ふ刻に春の風
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6 mars, 2021 @ 1:53
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明け方にみる真っ二月は、初春の大気に溶けていく、その光の行方を見届けたいものです。
openradio No.149 2021/3月下弦の放送は、ミャンマー / ブラジル / UKの神経科学家 / ECM / ジャズ、そんな選曲です。
00) I love you porgy (Palle Danielsson feat. Martin France, John Taylor)
01) 人生の虚しさを詠んだテッダッ〜パッタラーの独奏
02)BookEnds (D. Liebman/M.Copland)
03) Apoptose, PT (Floting Points)
04) Petit Enfant (Ky)
05) Vermelhos (Marsa)
06) Orixás (Egbert Gismonti)
mixcloudからのご試聴はこちらから
→https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-no149-20210306-waning-moon/

日常に溶けゆく月は春の光
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9 février, 2021 @ 2:01
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パレスチナの歌手、カミリヤ・ジョブラン Kamilya Jubranは、イスラエルのアッコに生まれ、80年代、イスラエルによる占領地東エルサレムでサブリーンSabreenというバンドで活躍していた。
そして彼女は欧州に旅立ち、ウードの弾き語りを現在は行っている。
‘神に選ばれし者’、という表現がフランス語にはある。
あの響き、空間を震わすその声と旋律は、まさしくこのフレーズの通りだ。
彼女が、彼女の人生そのものを謳った詩、それは同じ境遇であるパレスチナのSalman Masalhaによるものだ。
I have a way, which has no destination.
I have a place that is my own melody.
And that is the reason I wander and sing.
わたしには道がある、行き先のない。
私は己のメロディーの中に場所を持つ。
それが、私が彷徨い歌う理由だ。
絶対的な故郷というものの喪失の中にあって、彼女は歌うしかなかった。
openradioでは過去2回選曲しています。
2019年5月5日
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-201955-%E6%96%B0%E6%9C%88%E7%AB%AF%E5%8D%88/
2021年2月5日
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio20210205-no145-waning-moon/

若かれしSabreen時代。サブリーンは著述家の平井玄さんが90年代に日本になんと招聘している。
ビザはどこの国のものを使ったのだろうか…

Makan (2009)
今はただ料峭の道音の道
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5 février, 2021 @ 23:51
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文化というもの、アートと呼ばれるものがあるならば、それらはわたしにとっては「呼吸」です。
ブルキナファソの楽師達が、しかし彼らは西洋社会で呼ばれるプロの演奏家ではなく、工芸品を作っていたり、電気技師だったり、学校の先生だったりするのですが、彼らがあの大地で奏でる音楽は文化、アート以前の呼吸そのものである。
彼らの音楽は冠婚葬祭= »occasion 機会 »、に演奏されるものだが、その中でも最も重要な役目とは、葬儀の際に奏でられるそれだ。
死後硬直した死者の体=肉体を、音楽が緩めるのだという。
迷信か、いや代々そうやって彼らは音楽を奏で、実のところ…死者を弔うわたしたちの、それこそ硬直した精神を、緩めてくれるのだった。
哭きの音楽。
唯一、道の行き先があるとすれば、それは死だ。
だからわたしたちは今日、呼吸をする。
また御託を並べてしまいましたね。
openradio145回目 2月5日下弦の放送はmixcloudからご試聴いただけます。
→https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio20210205-no145-waning-moon/
早世された異才レイ・ハラカミ Rei Harakami 、パレスチナ珠玉の声 Kamilya Jubran、サバンナ西アフリカのポリリズム Kaba-ko、フランス、シュルレアリスムの寵児 Jacques Prévert…
音楽とサウンドという語彙の差異。
わたしたちの今日は、サウンドの響きの中に在る。
00) code (Rei Harakami)
01) Diabro (Moussa Hema & Kaba-ko)
02) Lafz (Kamilya Jobran)
03) wreck (Rei Harakami)
04) code (Rei Harakami)
05) Cyrcles (Ky+Nicola Pheiffer, Mogan Cornebert)
06) Je suis comme je suis (Juliette Greco)
07) rho (Rei Harakami)
・レイ・ハラカミの作品はこちらから購入可能。
アルバム[unrest]は今年LP版がでるとか!
https://ringsounds.bandcamp.com/album/unrest


春を呼ぶブルキナファソの土と風
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3 février, 2021 @ 2:53
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生まれ育った場所を故郷と呼ぶならば、地方から都市へ、人々は根をいつの間にか、知らないうちに失い、国家の一員に抗うことなく、成った。
では、国家は故郷なのか。
移動の時代になって国単位の根を拠り所とするのか、あるいは生きる土地(場所・コミュニティー)を根とするのか。
わたしにとって国家とは、パスポート上の国籍である日本がもつ査証の有効性だ。
わたしは根をもたない。しかし、すべてが根であるといえる自信がある。
中心、ひっそりと在る、無数の中心が根になる。
今日はシモーヌ・ヴェイユ Simone Weilの誕生日だ。
哲学を、身体を駆使する労働をすることで体現した、真の哲学者。
体、体だ。インテリなんてくそくらえ。
そして、夭折した彼女の思想は死後見つかったカイエ(ノート)に、溢れ綴られていた。
彼女の遺作は、「根をもつこと L’Enracinement,」。
「重力と恩寵」のページをめくるとしよう。
我々は今日、立春に迎えられる。

何もなゐ立春朝の潔さ
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30 janvier, 2021 @ 10:15
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宮本常一の命日1月30日。
紀伊国屋書店販売部の知人に頂いた写真集「昭和の情景」には、無数の故郷をみた宮本常一の眼差しがある。
彼は日本を歩き、土地風土の中に生きる人々を撮り、彼らの息を感知しつづけた。
2012年、生田緑地にある川崎市岡本太郎美術館で開催された
「記憶の島 ― 岡本太郎と宮本常一が撮った日本」。
二人の日本への眼差しは、彼ら観るもの(旅人)と、観られる者(その地に生きる人)との間にある空気がはっきりとカメラに収められている。
企画をされ、また展覧会を案内してくださった学芸員の仲野さんを、ある人物を介して知ることとなった。
その人物はマルセル・モースを生涯の研究対象とした。
戦前パリ、岡本太郎はバタイユやレリスとの交流と同時に、マルセル・モースの講義に出ていた。
学びの対象とは、人類の生きる姿。民族学、民族学と呼ばれるものだ。
宮本常一は戦前から日本中をくまなく歩き、民衆というものを民俗学の分野で調査し続けた。
それは今の映像人類学への予感でもあった。
同志として岡本太郎と宮本常一は時代を生きたことだろう。
経済という魔法に取り憑かれてしまった人々に、彼らは寄り添うことは決してないだろう。
人から人へ、音も言葉も香りも伝搬し、それらの要素は今日わたしたちの生の救いとなっている。


鉱害によって破壊された直島の自然を、カメラにおさめた。

青森の農村へ。もちろん恐山へも。まさか六ヶ所村が核燃料サイクル基地になろうとは夢にも思わなかっただろう…
人は今日足跡残し雪の道
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29 janvier, 2021 @ 10:06
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石は沈黙の音楽
ーValery Afanassiev/ヴァレリー・アファナシエフ(piano)
このロシアを出自に持ち、あの時代に西へ亡命し、ベルギー国籍となったピアニストは詩人でもある。
饒舌なピアノの音色の中にある沈黙。
ペルー生まれのアメリカ人Meredith Monk、UK Jazzの担い手Alfa Mist、
ロシアの至宝 Valery Afanassievのプロコフィエフ、
そしてマリの灼熱 Bassekou Kouyate。
霧のような、靄のような、雲の中にいるような空間で、今宵満月を探します。
openradio144回目 2021/1/28 満月の放送はこちらから
→https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-n144-20210128-full-moon/
00) Run Outs (Alfa Mist)
01) Winter Variation (Meredith Monk)
02) Clusters 2 (Meredith Monk)
03) Ngoni Fola (Bassekou Kouyate)
04) Valery Afanassiev (Prokofiev 戦争ソナタ 三部作ソナタ第6番作品12より 第6曲 伝説曲) (Valery Afanassiev)
05) Retainer (Alfa Mist)

月もまた沈黙奏で君へ贈る
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21 janvier, 2021 @ 0:35
· Classé dans 俳句 haiku, 音楽 musique
2021年1月の上弦 openradio 143回目は、US-イスラエル-イラン-イスラエル-日本を横断する選曲。
聞きたい音楽として選んだミュージシャンたちの音に、偶然にして彼らの出自を突きつけられた気がします。
しかし、この出自とは国籍を基にするものではなく、遠近の記憶を探るという手法で彼らの音楽に包摂されるということ。
アイデンティティは今、日々更新されるという認識。
かたい御託はさておき、openradioのご試聴はこちらからお聴きになれます。
→https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio2021121-waxing-moon/
00) Moon Hike (Rejoicer)
01) Heavy Smoke feat.iogi (Rejoicer)
02) Baz Amadam (Mamak Khaden)
03) And if…(Or Solomon)
04) 子供の宗教 (Tipographica)
05) Up in flames feat.iogi (Rejoicer)

月みれば記憶の中を歩きをり
左翼遠方月うっすらと
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20 janvier, 2021 @ 0:10
· Classé dans 俳句 haiku, 時勢 circonstance
二十日正月・骨正月を迎えいよいよ年の始まりとなります。
流行感冒、急性胃炎、盛りだくさんのドラマティックな秋を過ごし、そして年始にダウン。
花にめっぽう恵まれたことが少しの救いだったかもしれません。
仕事始めの初サックスを吹けば、なんともこの楽器が必要とする身体能力を感じずにはいられません。
特に腹筋と肺、そして口筋。
初めてこの楽器と出会った一週間は毎日立ちくらみがしていた事を思い出します。
吹くよろこび、曲が生まれるよろこび、ごはんをつくるよろこび、そして、花を愛でるよろこびに明日、迎える上弦の月を愛でるよろこびが加わります。
本来わたしにとっての年の始まりは春分なのですが、対外的なご挨拶として、
本年もどうぞ、よろしくお願い致します。

カサブランカ、アマリリス、柊、ヒペリカム、スイカズラの枝のcomposition

エゾスカシユリ、チューベローズ
チューベローズ=月下香は今使っているOFFICINE UNIVERSELLE BULYの香水に使われていて、目眩のする微香がたまりません。

千両、冬桜、南天は庭の贈り物

20日遅れのささやかな一膳
アイロンをあてることなく骨正月
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13 janvier, 2021 @ 23:18
· Classé dans 俳句 haiku, 時勢 circonstance, 音楽 musique
仕切り直し、とはいかない、前と後の現の間で実存する時間。
しかし「Comecar de novo 新たな始まり」、気持ちを一新するに、年の節目は有効かもしれません。
月という存在がもつ反復性は、仕切り直しを援護してくれるようです。
ペルーの風、UKの融合的リズム、シンコペーション、ブラジルの憂鬱、ジャズマンが社会の中で奏でる音。
絶不調の流行感冒、胃潰瘍的痛い腹をおさえて始まった新年。
今年もopenradioをよろしくお願い致します。
2021年1月新月の放送はこちらから
→https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio2021113-new-moon/
1) El Plebeyo (Los Morochucos)
2) Raindown (Brothely)
3) Comecar de novo (Simone)
4) I can’t get started (Charles Mingus)
5) Historia de mi diva (Los Morochucos)

年迎ふ仕切り直しのなき現
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30 décembre, 2020 @ 17:28
· Classé dans 俳句 haiku, 時勢 circonstance, 音楽 musique
色々な土地に行き、その地の人々の息、あるいは土地自体の息に耳をすますと、彼らのささやきがはっきりと聞こえてきます。
とても遥かなる距離の間できっと彼らが生きる「色々な土地」は呼応しているのだと思います。
2020年はもう訪れませんが、これまでも、そしてこれからも、月の満ち欠けと共に音楽がそばにある生活を…。
今年もopenradioをお聴きいただきありがとうございました。
2020年12月30日 満月のopenradioの放送はこちらからご試聴になれます。
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-20201230-full-moon/
01) Te Quiero (Silvia Iriondo)
02) Casi Casi (Silvia Iriondo)
03) Cyrcles (Ky+Nicolas Pfeiffer / Mogan Cornebert)
04) Elsa (Bill Evans)
05) Falaise (Floating Points)
06) Marini Belletto Secundo (ensemble baroque de Mateu&Marie Leonhardt)

丸木位里さん(もちろん俊さんも!)は旭川のお寺での邂逅、そして東松山へバイクの後ろに乗って行った10年以上前から、かけがいのない存在です。
凍月や燦然の中距離の中
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30 décembre, 2020 @ 1:00
· Classé dans あーと art, 俳句 haiku, 音楽 musique
旅する音楽-俳句篇-としてスタートしたプロジェクトTraveling Haiku。
目下旅行脚の映像と音を編集中。
一人で勝手にはじめ、一人で勝手にやっているので不定期とはいえ、やはり誰かに観ていただきたく。
媒体はYouTubeであることがモヤモヤするところではありますが、現状況仕方なく。
vol.01 西伊豆は戸田(へだ)。
太平洋-水深深き駿河湾からの砂礫の漂流によって砂嘴(さし)の地形からなす御浜岬。
イヌマキの群生。幾度と津波に耐えた防災林。
ひっそりと漁村に生きる人々。遠近にみる山と海の循環。

vol.02 丹後は天岩戸・日室山
禁足の山、丹後のピラミッドといわれる日室山。
元伊勢内宮奥にひっそりとある天岩戸。
この地大江には酒呑童子の鬼伝説がある。
紐解けば解くほど日本という国においての山の存在そして怪なるものとの関係にうなる。
鉱床であるこの地の性(さが)、生と死の世界の境界。
御伽草子から能、果てはマンガ、ゲームまで、大江の鬼はどうやら今昔人間を放っておかないようだ。
近畿地方にある5つの聖地、伊吹山、元伊勢、伊弉諾神宮、熊野本宮大社、伊勢神宮内宮をつなげると五芒星になるとか。
なんだか怪しくも… 古代の人々の息が聞こえる空間。

土地行けば古代現代月の声
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23 décembre, 2020 @ 23:55
· Classé dans 俳句 haiku, 音楽 musique
声は聞こえないのに、その人の存在が聞こえる。
Božo Vrećo · Edin Karamazovの二人による新作アルバムLachrimaeには、そんな奇跡の音が収録されています。
何世紀も歌い継がれてきたウスクダラという歌の軌跡。
その背景にあるオスマン帝国…
恐れ多くも彼らの音楽に触発され、突発的にピアノの弾き語りをしてみました。
訥々と。
彼らの音世界を教えてくれた音楽の友に感謝するばかりです。
2020年12月22日上弦のopenradioの放送はmixcloudからご試聴になれます。
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio20201222-waxing-moon/
01) Kâtibim (Božo Vrećo · Edin Karamazov)
02) Fuubutsushi (Chris Jusell,Chaz Prymek, Matthew Sage, Pateick Shiroishi)
03) Runtime (Katia Labeque)
04) Uskudara(Maki Nakano)
05) Kad Ja Pođoh Na Bembašu (Edin Karamazov)

ウスクダラ不在の白き息と歌
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22 décembre, 2020 @ 23:32
· Classé dans あーと art, 俳句 haiku, 時勢 circonstance, 書き物 writing, 音楽 musique
あまりにも驚愕、というか当然のことに納得した事例。
それは、ある詩人のインターネットラジオで聞いたその声が、想像通りの音声であったこと。
正直わたしは詩にはあまり興味をもっていません。
北園克衛と若松英輔、Tristan TzaraとCésar Vallejoを除いて。
あ、Michel Leirisもいました。
俳句なんてやっているのにね。
明らかに違うのは、言葉の数。
俳句にひかれるのは、放置プレーなところ。
詩人の声は、その詩とそっくりの声でした。

来年伊勢でのプロジェクトは、「伊勢へ参らば朝熊を駆けよ、朝熊駆けねば片参り」といわれる朝熊山を郷里とする北園克衛をテーマにした、音と言葉の本。

若きT.Tzara

埋火が覚醒させぬ語彙の夢
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17 décembre, 2020 @ 11:50
· Classé dans あーと art, 俳句 haiku, 音楽 musique
個々人の距離の向こうにある風景、感傷は今映像でしか感知することはできないのでしょうか。
そう抗いながらも、一人でのツアー演奏の中で生まれたプロジェクトです。
それは、Traveling Haiku。
今年最後の新月、ひっそりとキックオフしました。
曖昧な風の行方、流れゆく時間、鮮明な生と死。
静かな移動、誰知らぬ空間で奏でる音と俳句のスケッチプロジェクト、始まります。
まずは、Traveling Haiku 00 :Introductionから。

Music / Haiku / Rec / Concept / Produce
by Maki NAKANO 咳をしても一人 a.k.a 仲野麻紀
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15 décembre, 2020 @ 16:21
· Classé dans 俳句 haiku, 音楽 musique
今年最後の新月。
ポーランドのささやき、チェコの民衆の息吹、LAの小さなお化け、UKのSleep Sound、そして、銀座のちあきなおみ。
静謐な月なき夜のための音楽を。
2020/12/15新月の、openradioは mixcloudからご試聴はこちらから。
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio20201215-new-moon-n139/
01) Music on canvas I (Sławek Jaskułke)
02) Pohadka for cello & Piano 2:Con Moto (Leoš Janáček)
03) Too much to ask (Moonchild)
04) 黄昏のビギン (ちあきなおみ)
05) Sleep Sound (Jamie xx)
06) Music on canvas IV (Sławek Jaskułke)


凍空に届かぬ息を吐ひてみた
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9 décembre, 2020 @ 16:58
· Classé dans 俳句 haiku, 時勢 circonstance
ある写真展で被写体となった人々と出会う。
彼らの瞳の中には、彼らを視つめる一人の人間の姿がいる。
できるだけ、その関係性の邪魔にならないように、刷印された時間をわたしたちは見つめるのだが、彼らはあまりにも優しいから、第三者であるわたしたちを仲間に入れてくれる。
そうすると、彼らの世界の中に、2時間も、3時間もいることになります。
不利を利へむかわせる。
コロナ禍において、人と人との距離を保つために仕切りをとった展示会場は、意味じくも人と人が空間の中で居合わせる、という世界を作ってくれた。
会場真ん中にある、映像を囲む椅子は、はちみつの酒を回し飲みした西アフリカの父さんたちの空間と同じようなフォームと、暖かさが漂う。
ドラマティックな出会いもあれば、いつの間にかの関係性になる出会いもある。
それもこれも運とあなた次第。
わたしはといえば、ある人に会うために、交通手段と所要時間を選びません。
棟方志功に会うために、浅草ー羽田ー小松空港ー砺波は福光光徳寺の往復一日を、なんとも思わない。
お疲れ様は、表参道の月光茶房にておいしい音楽を聴けばすべてはチャラに。
石垣島に老師に会いに行けばあの海の色が待っている。
夜明け前の無人駅にスーツケースを引きずり始発に乗ることだってへっちゃらだ。
徳富蘆花に会うために、伊勢志摩から汽車を乗り継いだ曾祖父の血だ。
福岡、甲賀、生口島、秩父、諏訪、柏、浦賀、近江八幡、山形、富士山、天橋立、飯能、西伊豆、富山、小布施、赤坂….
いや、実のところまだまだある。
その全ては、静かな移動、静かな愛。

関東山地、北アルプスを越え日本海へ

三岐鉄道

修善寺、峠峠の伊豆半島

始発から何見ることもなく冬迎ふ
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5 décembre, 2020 @ 9:49
· Classé dans 俳句 haiku, 時勢 circonstance, 書き物 writing, 音楽 musique
小日向の丘には凸版印刷の看板。
昨年演奏した水道端図書館の前にある静謐な寺。
夏目漱石の実父母が眠る墓の前に佇む、ある人の墓石の前で奏でた。
献奏という言葉はあるのだろうか。
人々の言葉を編み、この世に本という形で残した仕事。
漱石は、ある日墓参りをした時こんな句をよんだそうだ。
梅の花不肖なれども梅の花
梅咲き始む頃に逝ってしまった人の冬は今、なぜか早咲きもいいところの水仙がひっそりと咲いていた。
献花としよう。

旧町名を水道端という。まさか1年後に同じ場所に来ることになるとは。

本法寺という。

水仙の白き香りは此処になく
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4 décembre, 2020 @ 3:38
· Classé dans あーと art, 俳句 haiku, 時勢 circonstance
本物。
異次元。
品川港南口で赤の交通指揮棒ふってこの展覧会にすべての人を誘導したい。
絶対行ってください。
わたしはといえば、また彼らに会いに行こうと思います。
会場真ん中にある焚き火で暖をとりながら彼らの声を聞くために。
渋谷敦志 Atsushi Shibuya
写真展 品川キャノンギャラリーS
-GO TO THE PEOPLES 人のただ中へ-
12月14日まで
https://cweb.canon.jp/…/archive/shibuya-peoples/index.html/



本物に言葉の要らぬ冬世界
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30 novembre, 2020 @ 17:17
· Classé dans 俳句 haiku, 時勢 circonstance, 音楽 musique
UKジャズピアニストGabriel Latchinのアルバム、The Moon And Iという作品をみつけました。
イタリアのアンデス音楽Trencito De Los Andes、ミュージシャンの逝去によって解散した日本人オルタナバンドBOOM BOOM SATELLITES 、渋い歌声のMadeleine Peyroux、Quincy Jones…
死と同居するしかない満月。
今宵のopenradio 138回目はmixcloudからご試聴になれます。
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio20201130-full-moon-n138/

一歩ゆき気配なきまま影冴ゆる
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29 novembre, 2020 @ 16:59
· Classé dans 俳句 haiku, 料理 cuisine, 音楽 musique
そして、ゴマちゃんも逝ってしまった。
きんぴらは、ごぼうを桂むきにして千切り、生姜はおろしてからなお包丁で繊維を切る。出汁たるや、そのすべてが一等。
真に、料理というものの本物をカウンターの前で繰り広げていた。
口コミでは一番人気、なじみと同伴、予約は、取れなかった。
ご縁あってこの貴重な店を音楽で満たしたことがある。
ミュージシャンたちは言った。ごま家さんのような演奏をしたい、と。
切れ、心遣い、テクニック、何より、目の前の人のために、おいしいものを作る。
そうだね、そんな演奏家になりたいよね。
そのご縁をつくってくださった、わたしの谷町たちは御歳80歳を迎える。
まだまだ、まだまだ応援してくださると、信じている。
ゴマちゃん、あなたの料理を忘れません。

サイトはそのままに…
壇渓通から鶴舞に移転したその店の前には、古墳があった。

こういう限られた人のための演奏も、いい。
粋な旦那とは、芸人を育てることに長けている人のこと。
<
谷町代表と。
蕪蒸味の面影残すまま
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27 novembre, 2020 @ 4:34
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ある音楽の魔術師から、
「21時頃は綺麗な月夜だったのに、今はすっかり雲の向こう側。」
というメッセージが届いた。

この数日同居人となったポニーテールが似合う、ソフィア。
彼女はメキシコにパパを持ち、岐阜のママをもつ。
彼女が仕事から部屋にもどってきた時、すっと手が伸び、彼女の背中をさすった。
「あ、ここ触ってもらいたかったところ」
なんですって。
伊藤亜紗さんの『手の倫理』を、読みたい今日。


すぐそばにゐるはずの花冬運ぶ
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26 novembre, 2020 @ 4:19
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サンマルタン運河がウルク運河に変わるパリ北部、ジョレス駅。
40年以上前、この駅のあるアパートメントの一室でSosaの歌声を聴いていた若者たちは今、どこで生きているのだろう。
彼らはそれぞれに、それぞれの本を書き、その全てには彼らが過ごしたそれぞれのパリが描かれている。
フランスで聞く、シャンソンじゃない歌。
すべては声。
Mercedes Sosa – Zamba para olvidarte

晩秋の声を探したパリの午後
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12 novembre, 2020 @ 5:35
· Classé dans 俳句 haiku, 書き物 writing
ひょんなきっかけで岩波書店「図書」からお声がけいただき3年。
フランスでの外出禁止令下のこと、旅のこと、そしてなにより音楽のことをテーマに今回は書いてみました。
11月号寄稿のお題は「Perspective 遠くにあって近くにある音」。
本屋さんで無料で入手できるそうです。
原稿を落としてしまったその年は、辰巳芳子さんが連載をされていた、というプレッシャーだったのかもしれません。
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/4123?fbclid=IwAR3_mNHsQ1fv4jiJ21XFWB9k1Lb4x8TTlBVfs63JGDZJzX3FJZSugwkuBws

編む言葉秋気の中に消ゆきて
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