Archive pour あーと art

自己の中に他者をみる

他者との関係性の中に、エゴを排除する闘いに挑んだ人物。
レヴィ・ストロースを師とし、マルセル・モースを祖父とした人物。
1月11日、真島一郎さんによる講演、ー「闘い」の方法をたどる感性ー。
もうね、A3版10頁ですよ、レジュメ引用、注釈が…
そこには、故人への静謐なリスペクトしか感じられませんでした。
声が詰まっちゃうよね。嗚咽しかでないよね。
でも彼は最後まで「火のエネルギー問題」に至るまで、話しきった。
しかもサンカラとルムンバを引用して。
chapeau(脱帽)。
リスペクトとエゴとの対話は同義します。

「詩」というものは本来
人間と神様の帳尻を合わせてくれる音であろう
(プリミ恥部)

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猿、いや動物に触れる手って、柔らかいのよね。

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触れたくも触れぬ距離にゐる雪催

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秘めごとの爪…詰め

ある作家さんがつぶやいたのです。
「麻紀ちゃん、愛縛って言葉知ってる?」
それは漢詩文集、空海の『性霊集』。あるいは理趣経・十七清浄句の中にある、
愛縛満潮句足菩薩位。
こんなことを若かりし私(20代後半だった!?)に教えてくれた先輩に、感謝。

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誰が知りて狼星とある夜半の淵

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映像の音、菫の光

映像に音をつけるという仕事は、かつて武満が言ったように、「映像から音を削る」という表現があっています。
まだ見ぬ世界の始まりを音で想像するという刺激的なこと。
絶望の中に垣間見る微量のワクワク感と同時に、共同作業の生みの苦しみもあり、それが、音と共にある人生なのかもしれません。
今回の題材は、ラ・フォンテーヌの寓話。

たっぷりと待ち構えている絶望の中にある僅かな光を捉えることはできるでしょうか。あ、菫とは、人(人偏)が見つけることによって在る、僅かな花の光なのか…

ライオンと鼠(ラ・フォンテーヌ)

できるだけ、みんなの役に立つようありたいものだ
しばしば人は自分より小さな者を必要とする
このことが真実なのはふたつの寓話が裏付けている
それを証明する物事はたくさんある

一頭のライオンの足の間に
一匹の鼠が土から顔を出し目を回した
百獣の王は、この機会に
王の寛大さを示し、鼠を逃がしてやった
この善行は無駄ではなかった
ライオンが鼠の助けを必要とするなんて
だれが信じられるだろうか?

けれども森を出たときに
このライオンは網に捕えられてしまった
吼え続けたところで罠はほどけなかった
鼠殿が駆けつけ、その歯でもって
網の目を辛抱強く齧り
とうとうライオンを解き放つことができた

長い時間を掛け忍耐づよく行うことは
力や猛りに優るのだ

LE LION ET LE RAT

Il faut, autant qu’on peut, obliger tout le monde :
On a souvent besoin d’un plus petit que soi.
De cette vérité deux fables feront foi,
Tant la chose en preuves abonde.
Entre les pattes d’un Lion,
Un Rat sortit de terre assez à l’étourdie.
Le Roi des animaux, en cette occasion,
Montra ce qu’il était, et lui donna la vie.
Ce bienfait ne fut pas perdu.
Quelqu’un aurait-il jamais cru
Qu’un Lion d’un Rat eût affaire ?
Cependant il advint qu’au sortir des forêts
Ce Lion fut pris dans des rets,
Dont ses rugissements ne le purent défaire.
Sire Rat accourut, et fit tant par ses dents
Qu’une maille rongée emporta tout l’ouvrage.
Patience et longueur de temps
Font plus que force ni que rage.

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満月の夜、空飛ぶ絨毯 Le Tsapis Volant

ピアニスト、その名はTsapis=フランス語の発音で彼の名前は「絨毯」。
ギリシャとフランスの血をひく彼のピアノの音は縦横無尽に空を飛ぶ。
発表されたばかりのこの作品の白眉はなんといっても「オリエンタルピアノ」
を使用しているところ。

このピアノの話をするにはとっても時間が必要となります。
それは、音楽というもの、ピアノの歴史、人々の歴史、移動、変容をも含む人類の音の世界のことだからです。
河出書房から発売されているマンガ「オリエンタルピアノ」をぜひご一読ください。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309277714/

アラブ音楽は微分音の存在を抜き語ることはできません。
音楽は平均律で構成されていると洗脳されてきたわたしたちにとって、このオリエンタルピアノは、世界が黒と白だけではないことを教えてくれます。

ステファンの作りたかった音世界とは、ジャズだとか、アラブだとか、言葉だとかで片付くものではなく、
わたしたちが音楽に聴き惚れてしまうそのマジックを彼なりの方法で提示してくれたのです。

彼の楽曲を歌う魅惑的な女性たちの声、呟き、響はこのアルバムの中にしかない融合があります。
だって、考えてもみてください。
トルコ人、ギリシャ人、シリア人歌手が一緒に歌っているのですよ!

今回はステファン・ツァピスの新旧作品をたっぷりとお楽しみください。
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-20191212-%E6%BA%80%E6%9C%88/

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今宵満月は本の中で会いましょう。

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CDとLPの二作同時発売コンサート

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今回の演奏はラジオフランスで2020年1月4日放送されます。

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日本ではdisk unionで入手できるそうですよ!

https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008018558?fbclid=IwAR3A-Ki-XasKbxsIhP38d9UStblenJY7Rhlwfa9wnEeu8h1AyuE6LHoti84

9784309277714
河出書房新社 オリエンタルピアノ 
著者はレバノンのアーティスト、Zeina Abirached

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ブルターニュは地の果て、ストライキをものともしない

都会、人が人の中で生きる限り、自然破壊は日常の中で意識せぬまに進んでいる。
自然の贈与を意識させないのが、都会に住む条件なのかもしれませんね。
今どこにいるのか、というのは全く問題ではなく、
目の前に刻々と現れる情景にどう反応するか。
自然の贈り物にどう反応するか。

おっぱい島やら、海女さんの島やら、ヨーロッパ大陸西の果てにあるのが、ブルターニュなのです。
そこには、人との関係性以前になぜここに生きるのかという問いと、自然との対話があります。

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いずれにせよ、SNCFもなにもかも動いていない。
パリのざわめき、田舎の静寂。

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とはいいつつも、リハーサルはパリ市があてがってくれるスクワットのスタジオで。

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女性コーラスはトルコ、レバノン、ギリシャになぜか日本人…

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Frigot=冷蔵庫という名のスタジオ。

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サイゴン出身のお父さんはわたしの生徒さん。

人が居て去る場所は今日冬時雨

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舞打楽暦第14番砧の韻 KINUTA.RHYME

移動人生にはハプニングは常時つきもので、今回も然り。
何事もなかったように振る舞い会場入りです。
今宵神戸での演奏は、神戸は灘にある、酒心館ホール。
ダンサー角正之さんのお誘いにて、大倉流小鼓方・久田瞬一郎氏と、川崎義博さんのサウンドにサックスは幽玄に。

演目は「舞打楽暦第14番砧の韻」となります。
11月13日 17時30 open 18時start
神戸酒心館
神戸市東灘区御影塚町1-8-17
TEL:078-841-1121

hhttps://www.shushinkan.co.jp/news/eventcalender

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ホテル住まいは疲れるけれど、ぐっとくる作品に癒されることもある。
アートの効力。

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東京夜景。街の明かりは遠いほどに星の煌めきになる。

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57歳の死、あるいは57歳からの生

誰よりも、何よりも、その人のことを知っていた人の存在は、
この世においては、存在しないことになっている。

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新月を数へて今日は夏の月

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in the forest

上弦が地平線に沈む姿。
森の農場での演奏では、心地よい、生きるに必要な意識の挑発を感じることとなりました。
ボランティアという贈与。演奏という贈与。排泄という贈与。
循環の中にある、贈与交換。
セファルディの歌声を、シリアの夢想を…

openradio 7月上弦の放送は
http://openmusic.kyweb.fr/openmusic.jp.net/openradio/entori/2019/7/9_in_the_forest.html/
あるいはMixcloudにて
https://www.mixcloud.com/makinakano/open-radio-201979-%E4%B8%8A%E5%BC%A6-in-the-forest//

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農場の中の一角。キャラバンはトイレとなっています。このお話はラジオの中で!

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飲んだあきびんは各自で洗いましょう。

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ごはんもボランティアの人々が工夫をこらして。
花を食べる夏の季節となりました。

夏の夜の煌めく月は何語る

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音楽に生きる-Cold War あの歌、二つの心-

パヴェウ・パヴリコフスキ監督のCold War、ため息がでるような美しさ。
想像という自由を観るものに与える寛容。
昨年、クラクフでむさぼるように買い集めた
ポーランドの農村、民の歌声が冒頭を包む。
時代に生き、音楽に生き、国に生きる。
Jazzのあるパリの姿。
絶対的な美の世界だ。

映画の印象をラジオに映してみました。
7月新月・半夏生の放送はこちらから。
hhttp://openmusic.kyweb.fr/openmusic.jp.net/openradio/entori/2019/7/3_Cold_War_ano_ge2tsuno_xin.html/

mixcloudでの試聴はこちらから
hhttps://www.mixcloud.com/makinakano/openradio201973-%E6%96%B0%E6%9C%88%E5%8D%8A%E5%A4%8F%E7%94%9F//

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ワルシャワの文化科学宮殿を想起させるその存在。

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今回の作品に負けずに劣らぬ前作、IDA。

ため息と余韻は夏の夜にしまふ

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和歌山探訪~上弦甲賀の里

日本中張り巡らされた高速道路や整備された道によって、つい最近まで山道、下道を辿り行き着く土地の遠さは今や近くにあります。
獣道のすぐ横を上がると、そこには森岡さんが40年前にご自身で作った、本当に木材一つからつくった工房、登釜が現れます。
薬草を煎じる、ラベンダーオイルを作る、うまい野菜と少しの酒、そして蚊帳を張った寝床は明日の演奏を支えてくれる。

海南市の黒江は漆の街。風呂やに芸者に座敷。今はもうなきその姿を、今を生きる人々が再利用し、うるしの樽にさえも息を吹き込むのです。
紀伊の開けた海岸部、和歌浦から飛び地のある山間部。北上し奈良を抜け、月ヶ瀬、針、伊賀となり、少し西に立ち寄れば、
豊かな甲賀という里山に人々が生きた原風景をみます。

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夏の予感は鉄線から。

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森岡由利子さんの白磁にタイの膳があう。

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森岡さんの作品に天野の風景

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出番を待つ、器。

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旧たじま漆工場には、樽募金というのがあり、一個1000円の寄付で樽をわけてもらえます。

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白和えは鬼胡桃で。革靴職人の渡辺さんが30分以上擦ると、もう生クリームのような口触りに。

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初夏の膳亡きひとのゐるやうな宵

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ビル・エヴァンスー京都慕情ー

現在日本にて絶賛公開中の映画、
『ビル・エヴァンス タイム・リメンバード』。
各会場嗜好をこらした催しや雰囲気の中での上映のようです。
エンディングの静寂は、エヴァンスが作り出した音世界の余韻をわたしたち観客ひとりひとりに与えてくれる、豊穣な時でした。涙。 彼が紡ぐ音を聴くすべての人々の心象を、エヴァンスの音楽は肯定的に写し出してくれるというか…。

さて、今回は初の試み、放送中に放送マイクの前で歌ってみました。
その歌タイトルは「京都慕情」。

5月の満月はお休み、次回27日の下弦の日にお会いしましょう。

ラマダン7日目上弦のopenradioの放送はこちらから
http://openmusic.kyweb.fr/openmusic.jp.net/openradio/entori/2019/5/12_biruevu~ansu_-jing_dou_mu_qing-.html/

mixcloudはこちら
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-2019512-%E4%B8%8A%E5%BC%A6//

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映画Bille Evanece Time Remembered上映サイト
http://evans.movie.onlyhearts.co.jp//

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映像×民俗 -海の産屋-

ヴィジュアル・フォークロアというプロダクションを支える北村皆雄氏は、
かれこれ50年に渡って映像民俗学の世界を追ってきた。
南島文化、諏訪、久高島、羽黒、冥界婚…etc
パリでも上映された「ほかいびと」の、田中泯さん扮する井月と伊那の桜の姿からは、民俗学とはそれぞれの土地で、土地ある自然と共に生きる人間の姿へのまなざしである、
と教えてくれた。

さて、Kyが音楽を担当した石巻・雄勝半島の「雄勝法印神楽」の上映は
大阪シアター・セブンにて3月29日までだそうです。
劇中、神楽を継承する漁師たちは、46軒中1軒しかあの津波で残らなかったというに、こう語っている。

「いっさい、いっさい海を恨んでいねぇ」

http://www.vfo.co.jp/?fbclid=IwAR3XWvtC8aa7D3O3cFgBZ3nKOfjYf_RTJE3pZ8w7uXY9jjKlCOvq5L9dSrw

映像×民俗_第2期.

春濤や会ふことのなき誰探す

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複数形の生きる

openradio 2月の上弦もレユニオン島の音を。

どんなごはんにも添え物として存在するルガイユという食べ物。
これを体験してからはこれなしでは何だかどんなごはんも物足りなくなってしまう。
トマト、キュウリのルガイユはスタンダード。
一番のお気に入りは、落花生のルガイユ。
作り方は放送にて。

cloud mixでの試聴はこちらから。
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-2019212-%E4%B8%8A%E5%BC%A6/

あるいは
http://openmusic.kyweb.fr/openmusic.jp.net/openradio/entori/2019/2/13_entori_1.html

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タミル人によるMalbars、その寺院の鮮やかなこと。密かにこの宗教の儀式にて憑依体験をしてしまった友人の案内にて、隠れたこの寺院にたどり着く。

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あるいは火山噴火によって教会内にマグマが流れ入ったその姿。

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睦月下弦、あと一歩で火山の中にさようなら

レユニオン島自体が活火山。
平地なき土地に人々は住む。
2018年4月に大噴火したピトン・ドゥ・ラ・フルネーズ・Piton de la Fournaiseに、朝4時から登れば、頂そこには人っ子一人いない静寂。初めて感知するこの無音の世界。
吸い込まれるように火山口に近づけば、
今思えばあと一歩でマグマ燻る火山の中へさようなら、という極。

下山を始めれば、雲が上昇、地上から登り始める人々は登山を断念。
この山が迎えてくれたとしか思えない。

この火山での録音は次回のopenradioでの放送でお送りしようと思います。

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写真はhttps://commons.wikimedia.orgから。ここにいたなんて…

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2631m、地球の肌に触れる。

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睦月下弦迎へし山にかくれんぼ

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Claude MellanとGoya

昨年初冬ルーブル美術館で観た、版画の技法を取り上げたドキュメンタリー映画の印象が頭から離れない。
17世紀を生きた版画家 Claude Mellanのそれは、一本の線を渦巻きに掘り連ね、そのたった一本の溝から刷印される凹凸の妙に浮かび上がる、あの代表的作品、聖顔。
これはもう技術が彼の真正な意思の表出を支えているとしか思えない。

同じ映画監督の作品はまた、Goyaのロス・カプリチョスの技法に焦点を当てている。
もう鳥肌が立つくらいに大好きなこのロス・カプリチョスは、ビアズリーのそれとは全くちがう次元のものだけれど、風刺という意味ではどこか似通っていると思うのです。

この監督のパリ9区のスタジオで公開録音をしたあの日、編集中と耳にした作品をようやく全編観ることができ、
ああ、ひとつの映画、ひとつの本、ひとつの何かが出来上がるには、時間を要するものなのだな、と改めて「時間」というものを感じる睦月の始まりです。

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目眩がするほどの渦巻きによる一本の線…
象徴となるJ.Cは、だれかの想像するそれがわたしたちの脳裏に刷印されるということか。

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こちらもう少し人間的というか、皮肉と愛嬌がゴヤのそれ何たるかを表している。

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言語都市・台北

誰かが仰っていたけれど、文字の意味が理解できると、その文字の発音は二の次になる、と。
台北滞在ではまったくその現象が起こりました。
「高雄」「松山」という地名はさてなんて発音するのでしょうね。

生田緑地の西にある明治大学生田図書館Gallery ZEROにて、12月24日まで
特別展示 「言語都市・台北」
作品と図書の展示が開催されており、私も参加しております。
21名の文章が紡ぎ出す、台北の現在。
読む展覧会。
詳細はこちらから。
https://www.meiji.ac.jp/koho/press/2018/6t5h7p00000tjz4p.html///

お勧めの道順は、お天気がよければ向ヶ丘遊園で下車し、生田緑地内のセコイヤ樹林に挨拶をしながら岡本太郎美術館に立ち寄り母の塔をぐるっと巡りながらお山を越えて生田校舎へ。
あの地に息づく空気が好きです。

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HOME LESS IS HOME FULL わら一本、音一音

小田原から東京経由にて金沢へ。
しかし群発頭痛の発作が我々の行く道をふさぎます。
ああ、純正酸素15L/1min….!!携帯酸素ボンベが欲しいのです。

しっとりと蒸した金沢21世紀美術館の「変容する家」では、
ミヤケマイさんの作品であるブーフーウー藁の家の中での演奏。
旅人はそう、常にHome Lessであり、
そこに一音奏でれば音に満たされるHome Fullな空間が生まれます。
しかし、実は金沢に来たのは別の理由があったことがわかりました。
ヒントは「無」、「ともなる人」。

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ブーフーウーとは、あの三匹の子ぶたの家が想像の先に。

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そばにゐるやうな鶺鴒いずこかな

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プラチナの世界・うつわ菜の花

もう20年以上のおつきあいとなる陶芸家の伊集院真理子さん。
彼女の工房はその家自体が作品のようで、蓮に色彩、プラチナをつかった作品に
魅せられています。
そして彼女のつくるごはんがまた旨いこと。
小田原のうつわ菜の花さんとも同じくらい長く演奏をさせていただいています。
あの座敷でかぶりつきのお客様を足元に、お宝がゴロゴロねむる奥の部屋を楽屋にして、いざ演奏開始。
毎回才能あふれる作家さんたちの作品の中で演奏できる、幸せな時となります。

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真理子さんのプラチナシリーズ

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鍋ごと火にかけられるうつわは重宝します。

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目下開催中の展示は「冨沢恭子の柿渋染めかばんとsunuiのメキシカンバッチ」
http://utsuwa-nanohana.com/

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絵画と想像力

桜に酔う、そんな夢見心地の日本列島の春。
後ろ髪引かれて飛行機に飛び乗りパリは春雨。
京都滞在3時間、三島滞在1時間…列車に乗り、移動をし、その地の息遣いに耳を傾けぬ報いは、乗り物酔いの車窓からみえる夕暮れの中に現れる。

クレマチスの丘にある、ベルナール・ビュフェBernard Buffet美術館で開催中の
「絵画と想像力」に心底身震いした。
思えば北海道は善性寺でみた丸木俊さんの作品。
惹かれるがままに友人にバイクをだしてもらって東松山まで観に行った原爆の図丸木美術館。ブルターニュの港近くでみたビュフェ…
縁あって訪れた三島の美術館には今、丸木位里さんと俊さんの作品と、ビュフェの作品が迎えてくれる。
戦前戦後の彼らが生きた時代。そこに、春の桜色を重ねることは少し難しいけれど、もし秋にこの美術館で演奏できるならば、どんな彩にこの地が変化するのか想像するのもまたよしとする。

だれもいない、色のない、気配だけの深夜の千鳥ヶ淵というのも、いい。

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開館45周年記念展「絵画と想像力」
ベルナール・ビュフェと丸木位里・俊は6月12日までの開催。

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新幹線では2時間立っているしかない。

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咲き始めの白んだ東京、さようなら。

夜桜や花びら君に重なりて

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ポーランドを恨む理由はどこにもない

ポトハレ地方の牧草地住民による音楽、ポランスキー映画の音楽、ジプシー、ポーランドジャズ…etc ワルシャワから古都クラクフでみつけた音。

13世紀、モンゴルの襲来を受けた際、警笛を鳴らしたトランペット奏者は喉を敵方に射抜かれた。それ依頼聖マリア教会で毎時奏でられるトランペットの音。
ユダヤ人街界隈ではあの時代、墓石を道路の石畳に使われたという屈辱的な歴史。
そんな、時の重なりの中、今わたしたちは生きています。

ポーランドの食のレポは次回にご期待ください!

2018年2月立春のopenradioの放送はこちらから
http://openmusic.kyweb.fr/openmusic.jp.net/openradio/entori/2018/2/4_porandowo_henmu_li_youhadokonimonai.html

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世界どこでも吹き者2人組!

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この教会から毎時0分トランペット奏者が演奏します。

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展覧会関係者とともに、鯉の冷製アーモンドソース、グラーシュ、ウォッカ…杯が進みます。

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元祖クレズマーの出で立ち!

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ポーランドのホテルで壁を殴る、夜

共産党の名残、建物、スターリンからの贈り物といわれる文化科学宮殿タワー。
その隣にそびえるガラズ張りのビルとスターバックスの皮肉な存在。
ワルシャワから南下し、中世そのままに姿を残すクラクフに移動すれば、
モンゴルから、ロシアから、土地は翻弄されしかし生き続ける人々の姿は
いつも食べる場所で真正をあらわす。
シオニズムの疑いのない入植プロパガンダポスターを、クレズマー音楽名物の
レストラン内で見れば、嘔吐せずにはいられない。
そんな夜はホテルの壁を枕の上から殴り、殴り、泣くしかない。
なんなんだこの現実は、過去が今につながる今日、畜生。
行く必要もなければわたしのパスポートでは行くこともできない
イスラエルを目の前で味わう。アウシュヴィッツの悲劇は目の前にある。

日本美術技術博物館での演奏後、会場でスマレッツにピエロギ(ラビオリ)、
鯖の燻製に梨のソース、鰊の酢漬けにザクロを頬張り、
来客皆三三五五家路に着く中、やりきれない想いで一人夜の街に、午前3時零下5度。
社会主義時代の名残の飲み屋で、60度のウォッカをあおった。
もちろん翌日は演奏の本番前まで寝るはめに至るわけだが、炭火力発電所の大気汚染でクラクフの街はいずれにせよその日は外出禁止のほどだったという。

溢れんばかりの人々が集まるギャラリーで、
演奏のための静寂を作ってくださったのは、
今宵の主役であるGUTAIの代表的作家、松谷武判さん。
芸術の先輩方がつくりだす豊穣な作品に囲まれた空間で演奏できることに、
感謝せずにはいられない。
楽器を演奏することだけが今、命を支えてくれているようだ。

腫れる手の甲の赤さは冬深し

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オープニングの翌日は観客のいない展示室での、演奏。

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Alisaka Lahusenと松谷さんの展覧会の名は、Confluence

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Alisaka Lahusenと彼女の作品の前で

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同時開催のギャラリー展覧会の名は、「DO」

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腕に刻印された人々が、壁をつくるために、建国するための道具を渡される、というこんなプロパガンダが、
イスラエル建国1947年前よりずっとずっと前から行われていた…

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レバノン特集其の二

雨が降るたびに秋の匂いが増してゆく9月。秋分をむかえますね。
前回に引き続きopenradioではレバノンの音をお届けします。
微分音に電子音。
アラビア語の発音の中に音楽の要素を聴き取ることができます。

10月に来日するイラストレーター、ゼイナ・アビラシェッドの作品
「オリエンタルピアノ」の中で著者は、多様な文化を抱えたひとりの人間が、
現世を生きるうえで感じ取った小さな希望を、絵と物語によって語っています。
そこに音楽が重なるとどうなるでしょうか?

10月30日(月)は神楽坂の赤城神社でのコンサートとなります。
その前後も盛りだくさんの日程。
沖縄から北海道まで、お見逃しのないように!

9月の新月のopenradioはこちらから
http://openmusic.kyweb.fr/openmusic.jp.net/openradio/entori/2017/9/20_rebanon_te_ji_qino_er.html

オリエンタルピアノ日本公演 
10月22日(日)那覇 アルテ崎山
10月25日(水)那覇 寓話
10月28日(土)新潟 器
10月29日(日)東京 アンスティチュフランセ
10月30日(月)東京 赤城神社
11月2日(木)余市 余市テラス
11月4日(土)河口湖ジャズフェスティバル
11月5日(日)静岡 さじっとの家
11月6日(月)四日市 tavola calda OHNO
11月7日(火)名古屋 feel art zero
11月8火(水)京都 アンスティチュフランセ関西

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偶然にも文字が金色のレイアウトが多いようです。

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Sharif Sehnaoui率いるAlmaslakhレーベルのほとんどの作品は限定500枚。
それぞれの作品に工夫がこらしてあり、こちらはジャケット自体が
封筒になっています。だから、注文するとジャケットに送り先の住所と
レバノンの切手が貼られるわけです。

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グロワ島 国際映画祭から

暦は初秋、体感温度、気持ちの夏は終わりに近づいています。
今年はなんだか島での演奏が多いようで、今回は、
17回目をむかえるグロワ島国際映画祭での演奏となりました。
今年のテーマはアンティユ諸島。
しかしなんと映画祭で受賞したのは「Ama san」という日本とスイスの合同製作による作品。
島々をテーマにしたこの映画祭で、いつか日本をテーマにしたいと主催者が話していました。そんな日がくるのも遠くはないでしょうね。

8月の上弦の放送には、夏の想い出をキューバンの音々にのせて…
http://openmusic.kyweb.fr/openmusic.jp.net/openradio/entori/2017/8/29_gurowa_dao_guo_ji_ying_hua_ji_kyubanna_yin.html

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ama san のCláudia Varejão監督、受賞おめでとうございます。

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各々楽器を担いで船に乗り込みます。

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島の港江にある旧組合の建物がコンサート会場となります。

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会場ではフィルムリールが装飾に使われている。
毎日22時に上映が終わり、観客は音楽を聴きながら思いおもいに踊ったり聞き入ったり。

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ブルターニュ900kmの旅

ひとりの作家、ひとりのイラストレーター、ひとり陶芸家が
ブルターニュに残るケルト文化を求めて900kmの旅となりました。
この地にはその象徴となるものはなく、
ただただヨーロッパ大陸極西に残る自然の中に、空気感としてただよっている。
この半島に残る自然の中にいまも目には見えない妖精や小人がいる様です。

旅の最後には村の小学校にて皆で習字の授業を。
海と共に生きる小学生と「海、海、海」の時間となります。

7月1日上弦の放送はこちらから↓
http://openmusic.kyweb.fr/openmusic.jp.net/openradio/entori/2017/7/1_burutanyu900kmno_lu.html

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極東-極西、海と海で、わたしたちはつながってるね!

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レンヌ-モン・サンミッシェル-フィニステールと続きます。

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アーサー王伝説、ケルトの妖精たちがいる森へ。

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Free Jazz & Mexican Music

Anti Rubber Brain Factory 楽団2017年のプロジェクトはメキシコ。
スペイン出自とする歌手カルメンを招いてのコンサートには
日本からの友人、そして郊外線電車の中で声をかけた声楽専攻のミュージシャンも
聴きにきてくださり盛況にて終了。

スペイン語の歌々の抑揚は太陽を連れてきてくれます。

6月17日下弦の放送はこちらから↓
http://openmusic.kyweb.fr/openmusic.jp.net/openradio/entori/2017/6/17_Free_Jazz_%26_Mexican_Music.html

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1週間のクリエイトレジデンスでのリハーサル

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会場は毎度おなじみ元パスティス工場Anis Gras

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目下日中は30度近いパリ。シャンジュ橋からの夕暮れ。

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