増版 コメントへ感謝
様々な方がopenradioへのコメントを送ってくださっております。
もちろんここではご紹介できないほど。
しかし、許諾いただき以下一部とさせていただきます。
「これはフォーク・ミュージックのメロディ?そうだとしたらどこのものでしょう?ダンス・ミュージックではないけれど、体を動かしたくなるような刺激を脳細胞に送るものです。そしてこのゆったりした雰囲気は流れているだけで嬉しくなるもので、ステイ・ホームの日々を過ごしやすくしてくれる音楽です。」
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
「仲野麻紀は「音」の人であり「旅」の人であり「言葉=思索」の人である。音と旅と言葉は彼女の中で互いを喚起し、響きあう。そして、その共鳴体としてたくさんの作品が生み出されてきた。旅の途上で言葉が紡がれ(思索し)、音になる。言葉は彼女の精神、旅は血、音は肉だ。そういう意味でも、2017年から旅の先々で作り続けてきた音楽+語りのネットラジオ番組「openradio」は仲野自身そのものであり、その番組をアルバム化したような本作は表現者としての彼女の裸体だとも言えるだろう。演奏はすべて本人だけの多重録音。曲名は、インスピレイションを受けた本のタイトルをそのまま借用。ブリッジ的に入るインティメットなモノローグ。そして、これこそが今の私だと静かに、しかし誇らしげに語っているようなジャケット。仲野麻紀という音楽家=旅人=思索者の肌の温もりが、脈動が生々しく伝わってくる、そんなエロティックな作品だ。ここに仲野は、表現者としての自身の哲学と行方を再確認しつつ、新たな一歩を記した。」
松山晋也 (音楽評論家)
「伝統も創造も涸渇し、商品化の食い散らしだけが溢れる現代の音の荒野、そこで人は音楽をどう作れるのか、音や声を蘇生できるのか、そんな課題に麻紀さんはこのノマッド振りで応えている。
音はそれぞれの土地、人、空気の中から生き返る、糧は土地だということですね。ノマッドは土地を漂流するだけでなく、その土地・土地で糧をうる・糧を返すということかな。アメリカインディアンの末裔みたい。
それがpublique(誰にも属さず万人に開かれた)な音楽ということ。」
西谷修 (哲学者)
「昔、ラジオから流れる見知らぬ異国の調べは新しい世界へと繋がる扉のようだった。仲野麻紀がパーソナリティーとして語り、ミュージシャンとして音楽を奏で、時も国境も越えて誘う。旅をするように聴ける…なんと贅沢で魅惑的…
開けゴマ!ならぬ、いざ、OPEN RARIO!」
正木なお (ギャラリスト・アート+空間ディレクター)
「音による鮮やかな文芸の世界。
土地、人、ことばの還流からたちのぼる高雅な香りに満ちたOPEN RADIOは、
あなたをまた新たな旅の時空に誘うことになるだろう。」
川瀬慈(文化人類学者)
「そもそも、サックスの音色が優しく艶やかで。
それぞれの音楽が色々な文学や詩からInspireされているのでその特殊な通路を探すだけでも楽しく。この詩のどこが麻紀さんの抒情を刺激して、何が引き出されたのか、と。
サックスの音色はこんなにも豊かなのだなぁ、と、聞きながら日々発見です。」
稲葉俊郎(軽井沢病院 副院長)
「本を読むことは旅をすることと言っても過言ではない。様々な国や時代、人と出会い、その人の言葉に触れ、自分が変容する。『OPEN RADIO』は仲野さんのフィルターを通して演奏される文学だ。こんな文学との出会いは初めてだった。二曲目、静けさの中にも凛とした力強さを感じさせるピアノの演奏と共にナビゲーションが始まる。曲名は「わたしの愛したインド」。
インドに纏わる本なのだということはタイトルから予想できるが、インド音楽をイメージさせるメロディではない。一体どんな本なのだろうか。気になって調べてみると、アルンダティ・ロイというインド人女性作家が、ナルマダ川のダム建設と核兵器開発という、インドが抱える二つの病弊を暴くという社会的な問題にアプローチしたルポルタージュだった。他にも多くの著書があり、直感的にこの人の書いたものを読まなければと思った。そして店用にも仕入れることにした。
音楽に変換された文学は、解放されたラジオの電波に乗って、こうして僕の元へと届いた。そしてひとつの曲から、ひとつの地方の小さな書店に一冊本が置かれることになった。『わたしの愛したインド』はこれから誰の手に渡り、その人の人生にどんな影響を与えることになるだろう。
“「さて、わたしたちの未来は肯定できるものになっているでしょうか」”
仲野さんはこう問いかける。未来は誰にも分からない。だが、こうして人々は確かにお互いに影響を与え合うことができるのだということを僕は体感した。
モリテツヤ (汽水空港)
仲野麻紀のサイトからもお読みになれます。