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Archive pour janvier, 2021

無数の故郷へ

宮本常一の命日1月30日。

紀伊国屋書店販売部の知人に頂いた写真集「昭和の情景」には、無数の故郷をみた宮本常一の眼差しがある。
彼は日本を歩き、土地風土の中に生きる人々を撮り、彼らの息を感知しつづけた。

2012年、生田緑地にある川崎市岡本太郎美術館で開催された
「記憶の島 ― 岡本太郎と宮本常一が撮った日本」。
二人の日本への眼差しは、彼ら観るもの(旅人)と、観られる者(その地に生きる人)との間にある空気がはっきりとカメラに収められている。
企画をされ、また展覧会を案内してくださった学芸員の仲野さんを、ある人物を介して知ることとなった。
その人物はマルセル・モースを生涯の研究対象とした。
戦前パリ、岡本太郎はバタイユやレリスとの交流と同時に、マルセル・モースの講義に出ていた。
学びの対象とは、人類の生きる姿。民族学、民族学と呼ばれるものだ。
宮本常一は戦前から日本中をくまなく歩き、民衆というものを民俗学の分野で調査し続けた。
それは今の映像人類学への予感でもあった。
同志として岡本太郎と宮本常一は時代を生きたことだろう。
経済という魔法に取り憑かれてしまった人々に、彼らは寄り添うことは決してないだろう。

人から人へ、音も言葉も香りも伝搬し、それらの要素は今日わたしたちの生の救いとなっている。

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鉱害によって破壊された直島の自然を、カメラにおさめた。

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青森の農村へ。もちろん恐山へも。まさか六ヶ所村が核燃料サイクル基地になろうとは夢にも思わなかっただろう…

人は今日足跡残し雪の道

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乾いた沈黙

石は沈黙の音楽
ーValery Afanassiev/ヴァレリー・アファナシエフ(piano)

このロシアを出自に持ち、あの時代に西へ亡命し、ベルギー国籍となったピアニストは詩人でもある。
饒舌なピアノの音色の中にある沈黙。

ペルー生まれのアメリカ人Meredith Monk、UK Jazzの担い手Alfa Mist、
ロシアの至宝 Valery Afanassievのプロコフィエフ、
そしてマリの灼熱 Bassekou Kouyate。
霧のような、靄のような、雲の中にいるような空間で、今宵満月を探します。

openradio144回目 2021/1/28 満月の放送はこちらから
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-n144-20210128-full-moon/

00) Run Outs (Alfa Mist)
01) Winter Variation (Meredith Monk)
02) Clusters 2 (Meredith Monk)
03) Ngoni Fola (Bassekou Kouyate)
04) Valery Afanassiev (Prokofiev 戦争ソナタ 三部作ソナタ第6番作品12より 第6曲 伝説曲) (Valery Afanassiev)
05) Retainer (Alfa Mist)

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月もまた沈黙奏で君へ贈る

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Moon Hike 月のハイキング

2021年1月の上弦 openradio 143回目は、US-イスラエル-イラン-イスラエル-日本を横断する選曲。
聞きたい音楽として選んだミュージシャンたちの音に、偶然にして彼らの出自を突きつけられた気がします。
しかし、この出自とは国籍を基にするものではなく、遠近の記憶を探るという手法で彼らの音楽に包摂されるということ。
アイデンティティは今、日々更新されるという認識。

かたい御託はさておき、openradioのご試聴はこちらからお聴きになれます。
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio2021121-waxing-moon/

00) Moon Hike (Rejoicer)
01) Heavy Smoke feat.iogi (Rejoicer)
02) Baz Amadam (Mamak Khaden)
03) And if…(Or Solomon)
04) 子供の宗教 (Tipographica)
05) Up in flames feat.iogi (Rejoicer)

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月みれば記憶の中を歩きをり
左翼遠方月うっすらと

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花至る所に骨正月

二十日正月・骨正月を迎えいよいよ年の始まりとなります。
流行感冒、急性胃炎、盛りだくさんのドラマティックな秋を過ごし、そして年始にダウン。
花にめっぽう恵まれたことが少しの救いだったかもしれません。

仕事始めの初サックスを吹けば、なんともこの楽器が必要とする身体能力を感じずにはいられません。
特に腹筋と肺、そして口筋。
初めてこの楽器と出会った一週間は毎日立ちくらみがしていた事を思い出します。

吹くよろこび、曲が生まれるよろこび、ごはんをつくるよろこび、そして、花を愛でるよろこびに明日、迎える上弦の月を愛でるよろこびが加わります。

本来わたしにとっての年の始まりは春分なのですが、対外的なご挨拶として、
本年もどうぞ、よろしくお願い致します。

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カサブランカ、アマリリス、柊、ヒペリカム、スイカズラの枝のcomposition

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エゾスカシユリ、チューベローズ
チューベローズ=月下香は今使っているOFFICINE UNIVERSELLE BULYの香水に使われていて、目眩のする微香がたまりません。

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千両、冬桜、南天は庭の贈り物

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20日遅れのささやかな一膳

アイロンをあてることなく骨正月

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Começar de novo 仕切り直しの無効性

仕切り直し、とはいかない、前と後の現の間で実存する時間。
しかし「Comecar de novo 新たな始まり」、気持ちを一新するに、年の節目は有効かもしれません。
月という存在がもつ反復性は、仕切り直しを援護してくれるようです。

ペルーの風、UKの融合的リズム、シンコペーション、ブラジルの憂鬱、ジャズマンが社会の中で奏でる音。

絶不調の流行感冒、胃潰瘍的痛い腹をおさえて始まった新年。
今年もopenradioをよろしくお願い致します。
2021年1月新月の放送はこちらから
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio2021113-new-moon/

1) El Plebeyo (Los Morochucos)
2) Raindown (Brothely)
3) Comecar de novo (Simone)
4) I can’t get started (Charles Mingus)
5) Historia de mi diva (Los Morochucos)

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年迎ふ仕切り直しのなき現

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