匠味 ごま家
そして、ゴマちゃんも逝ってしまった。
きんぴらは、ごぼうを桂むきにして千切り、生姜はおろしてからなお包丁で繊維を切る。出汁たるや、そのすべてが一等。
真に、料理というものの本物をカウンターの前で繰り広げていた。
口コミでは一番人気、なじみと同伴、予約は、取れなかった。
ご縁あってこの貴重な店を音楽で満たしたことがある。
ミュージシャンたちは言った。ごま家さんのような演奏をしたい、と。
切れ、心遣い、テクニック、何より、目の前の人のために、おいしいものを作る。
そうだね、そんな演奏家になりたいよね。
そのご縁をつくってくださった、わたしの谷町たちは御歳80歳を迎える。
まだまだ、まだまだ応援してくださると、信じている。
ゴマちゃん、あなたの料理を忘れません。
サイトはそのままに…
壇渓通から鶴舞に移転したその店の前には、古墳があった。
こういう限られた人のための演奏も、いい。
粋な旦那とは、芸人を育てることに長けている人のこと。
蕪蒸味の面影残すまま