豊穣なローカリズムへ
800人が住むブルターニュのとある村。
そこに生きる人々のインタビューを長らくしてきました。
この地に残るケルト文化のひとつである妖精=精霊コリガンは、
森の中にいるといいます。
夏の森ではコリガンに出会うことはできません。
ケルトの暦では11月1日を1年の始まりとし、霧深き、森深きにある石を住処にする精霊たちが現れる。
ローカルに生きるすべては、今全世界それぞれの地で生きる人々の、その慎ましやかな生きる営みの中にあります。
農文協からでている内山節さんの著書、
昼間賢さんによる「ローカルミュージック」(インスクリプト出版)、
農業漁業を命の基とする友人たちの姿。
すべてはバイブル。
実のところ伊勢志摩の亡き祖父のミカン畑で働く、あるいは畳の上に書籍を開いて勉強研究し、深沢七郎を愛読する姿に、ローカリズムの核をみるようでもあります。
内部へ、内部へ掘り探るその行為こそが、生きる実践である。
ローカルという地に生きる人々の底力。
これまでも、そしてこれからも、それにまさるものはありません。
内からの世界の声に、耳を傾けることができるならば、あるいは少しの平衡的感覚を携えそれを寛容と呼ぶことができるならば、
目の前にある世界の絶望へも、少しだけ微笑むことができると思うのです。
=conviviality 共歓。
さて、これから生きる場所はどこに向かおうとしているのでしょうか。
人生の欠片としてあったブルターニュという地は、それでもわたしにとっての故郷と呼べるのかもしれません。
故郷喪失とは世界が故郷であるという転換的発想を味方にすることです。
過去の取材の一部はフランスのフリー新聞OVNIの記事になっています。
カキ養殖業者ジョエルさん https://ovninavi.com/756sp/
酪農家、ガエタンさん https://ovninavi.com/729sp/
煙突掃除夫 エロワンさん https://ovninavi.com/ramoneur/