誰からのメッセージかな
イスタンブールでも巴里でもTokyoでも、プノンペンでも…
街では誰かが残したメッセージに出くわします。
往々に、その言葉は突然目の前に現れるのです。
ある人の話を、あるいはそのある人とやりとりをした後に
突然道の真ん中で出くわしたこの言葉。
ちょっとドキドキする、夏の始まりです。
Cueilles des mots d’amour Impromptu
Dans la rue de Paris
Debut l’ete
パリの初夏愛の言葉を拾いけり
イスタンブールでも巴里でもTokyoでも、プノンペンでも…
街では誰かが残したメッセージに出くわします。
往々に、その言葉は突然目の前に現れるのです。
ある人の話を、あるいはそのある人とやりとりをした後に
突然道の真ん中で出くわしたこの言葉。
ちょっとドキドキする、夏の始まりです。
Cueilles des mots d’amour Impromptu
Dans la rue de Paris
Debut l’ete
パリの初夏愛の言葉を拾いけり
サックスの演奏方法としてある循環呼吸。
その術を教えてくださったのは、ジャック・クルシルとエヴァン・パーカーです。
ーーーーJacque Coursilが逝去した。
トランペット奏者であり、言語学・数理論理学の研究者。
マルティニークとしての同一性、西洋としての同一性。
その間にあるのは植民地、そしてExoduses…
出自となるアイデンティティーを、遠きそして近き眼差しで考察し、音世界と現世界の道を往来した男。
目の前で教えていただいたこのテクニックとは、循環呼吸により生まれる音の無限のあり方を可能にする、無限の呼吸ではなく、この息継ぎをしなくとも音が鳴り続けることにより、音が無の世界になる、ということでした。
「循環呼吸での演奏は、隣近所からの騒音問題の解決方法となりますよ」
とおちゃめなジョークに笑ったものです。
「人間の耳は、鳴り続ける音を無音にする能力がありますから。」
そして、ステーヴ・ライヒの世界同じく、音の連なりが終わる時、私たち聞くものはその時初めて、音楽という魔法の時空間にいたと、気がつくのです。
彼の最後の作品は「涙の道-Trails of Tears-」という。
ジャック….ありがとう。
故郷カリブの海へ、安らかに……
好きな花は何ですか?
色々な思い出がその香りと蘇る百合の花。
今宵6月上弦のopenradioの放送は、百合づくしです!
試聴はこちらかどうぞ。
https://www.mixcloud.com/makinakano/2020628-waxing-moon/
1) Lily (Pink Martini)
2) Lillie (Virginie Capizzi)
3) Lilium Maculatum Thunb (Shin Sasakubo)
4) Lily (Fere Eyo’Nle Brasse Band & Lionel Suqrez for Pierre Perret)
ポキっと折れた一輪が咲き始めたその夜、ある男が死に至った知らせを受けた。
たくさんの想い出の中に百合の香
心身のためのお医者さんがいると同じように、演奏家には楽器のお医者さんもいます。
かれこれ18年お世話になっているマリアンヌさんは、私が使っている1920年代のひねくれサックスConnのことを熟知してくれて、いつもピンチを救ってくれます。
疲労困憊のこの楽器が、彼女の手によって、また少し元気を取り戻しました。
15度から28度へ。
それでも湿気はないので、心地のよいパリの初夏は、それでもジェラートを必要とします。
レッスンも再開し、色々な人生模様の中、やっぱりCafeの存在に救われるものです。
冷んやりと夏の階段昇りをり
空は無に限りなく、すっからかんだけれども潔い夏至の一日。
今宵2020年6月21日、120回目を迎えるOPENRADIOの放送は
アンゴラ、日本、ブルンジ、英国の人々のささやきを…
今宵もどこか遠くに鳴る音楽が耳元に届きますように。
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio2020621-new-moon/))
0) Passage (Maki Nakano)
1) Kianje (Bonga)
2) Pilea Moon Valley (Akira Iijima)
3) Lord Gregory (Sam Lee)
4) Umuduli E Canto (trad:Burundi)
5) Johnny O’the brine (Sam Lee)
セーヌ河で一番好きな橋は、トゥールネル橋。
パリの守護神聖ジュンネビエーヌはPaul Landowskiによるもの。
コレージュドフランスの中庭の空は、溢れる知識の果てに無の境地をみせてくれる。
無の空と至上の時は夏至となり
昨年飛行機に乗る直前に転んで指を骨折。
滑稽最たる結果、コンサートのキャンセルをする無責任さ。
そして今年、同じ指を突き指するという愚挙。
ソロアルバムのレコーディング直前にです。
笑ってしまうのですが、これも現実。
夏のヴァカンス返上となりそうです。
山も、海もお預けでスタジオ籠りの予感。
これでも一応、サックス奏者です。
夏至に向かってフランスですることとは、森の中を散策し、野草を採取するということです。
聖ヨハネの草とよばれるオトギリ草は、宵闇に露玉を光らせ,檸檬にも似た芳しい香を放ちつつ,その神秘の力を発揮したそうです。
黄色い花弁の命は短く、ただ一年で一番陽が長い時期に摘むそれは、不思議な効果があったとか…
他にも、ミント,ゼニアオイ,タイム,コバノシナノキ,ヘンルーダ,ヴァーベナ,カノコソウ,ニワトコ,ヨモギ,カモミール。
そして芳香まとうニワトコの花ではシロップ、ソーダ水を作ることができます。
作り方は簡単で、水にレモンと砂糖、そしてお花を入れて発酵させるだけ。
3週間目にはシュワシュワのレモネードができます。
野草と共にある時間、それが生きるということであると思うのです。
お気に入りのコップもいいけれど、ちょっといいことした後に、Baccaratのシャンパングラスで飲むというのも乙です。
自家製のソーダBaccaratで飲む夏日
伊勢志摩、故郷の山と海に思いを馳せて、山の音楽、海の音楽をセレクト。
地勢はわたしたちの存在の根本を呼び覚ましてくれます。
湿る空気に少しの風を、ギリシャ、アルゼンチン、フランス、アメリカから…
2020年6月13日下弦のopenradioの放送はこちらから
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio2020613-waning-moon/))
1) Mount Athos (Stephane Tsapis)
2) Flex-Able leftovers (Steve Vai)
3) Alfonsina Y el mer (Cybele Castriadis/Orestis Kalampaliskis)
4) Sea & sky (Dasty Springfield)
5) Una Canción En La Montaña (Atahualpa Yupanqui)
当方潜る人種なので、海の写真はたくさん思い出の中にしまってあります。
山と海間に生きて今日の風
外食をすることがめっぽうなくなってしまい、
さて食べたいものは作るしかない時勢。
マグレブのお父さんたちがつくるうまいクスクス、ベルビル界隈であれば6ユーロもだせばおかわり自由で食べられるものの、(この店はovniの記事に書きましたhttps://ovninavi.com/770pascher/))今は家で作るしかない。
次に食べたいものは?
….お鮨ですね。作るとしましょう!
幸いお世話になっている魚屋さん、そして釣り好きの友人から
新鮮な海の恵みをいただきます。
家庭の素朴なお鮨ですが、それもよしといたしましょう。
フランス人はトロをほぼ食べないからなあ…
魚屋の店主と目が合ったその瞬間ウインク。無言でトロを包んでくれます。
ミシェルさんは大の釣り好き。
外出規制が解除となりさっそく鯖を釣って届けてくれました。
フランスで作るなんちゃって鯖鮨、関西人に怒られそうですね。
私の両親が育った伊勢志摩では片口鰯、志摩半島以南は熊野灘にかけては秋刀魚。
紀伊半島の光りものの食べ方の妙です。
イカはバジルと無農薬レモンの皮、オリーブオイル、
ゲランドの天然塩を添えてイタリアンに。
ワタは一旦冷凍してから塩辛をもちろん作ります。
塩加減はこの場合塩梅ではなく、イカの重さに対して10%を守ります。
飯を炊き夕餉をにぎり梅雨始む
けいそうビブリオフィルでのweb連載「ごはんをつくる場所には音楽が鳴っていた」
が始まって2年目を迎えます。
ツアー中は執筆も、料理もできませんので、いや、遅筆が原因で…まだ14品しかご紹介できていないのですが、今回外出規制の中、番外編として小麦粉を使ったレシピ6品を書き終えました。
列を作ってパン屋の前に並ぶより自宅でつくる焼きたてのパンの香りの妙。
モンゴルの焼き麺、ウイグルのグシュナン、グジェールもどきに秩父のたらし焼きもどきetc…
外出の機会は増えるものの、それでも作る時間、買う時間を意識したとき、作ることへの愛情を思い出すかもしれません。
番外編ー旅する小麦――買う時間、作る時間、あなたとわたしの距離――
その1)https://keisobiblio.com/2020/05/27/nakanomaki-extra1/
小麦粉にまつわる小話とレシピ
その2) https://keisobiblio.com/2020/05/30/nakanomaki-extra2/
音楽家と農家の収入、互酬性、道化、相互扶助がキーワードとなります。
麦揺れて風を探せば君の笑み
世に言うマイナーといわれる音楽の分野があるとして、当の本人は別にマイナーだろうがメジャーだろうが気にしていない節があります。
音楽をやるのみ。
たとえDavid Bowieのアルバムでギターを演奏しようが、ECMレーベルから作品をだそうが、彼は彼のダークな世界の中で彼自身の音を奏でています。
彼の楽曲、演奏を聴けば聴くほど、その非可逆リズムや十二音技法、モートン・フェルドマン影響下にある音の静寂からポリ(フォニー、リズム、…etc)を綱渡りするようであり、無の境地の中に音を綴るあの世界にノックアウト。
ドラムとの絡みは演奏者との関係性がそうさせるのか、経験値なのか…
分析するほどの力をわたしは持ち合わせていませんが、それでもBen Monderの音楽に魅了されて20年が経とうとしています。
日本でもその筋に愛されていることがわかるサイト
https://untitledmedley.com/2017/10/12/all-about-ben-monder/
1871年労働革命として樹立したパリ・コミューン。
軍との激しい闘いの中、立て篭もる人々を、さくらんの籠を携え看護をした
ルイーズへ捧げた歌。
弾圧下多くの人々が虐殺された「血の一週間」。
さくらんぼとは、血の色であり、同時にさくらんぼ実る頃の儚い恋、失恋の歌でもあるそうです。
恐れ多くもピアノの弾き語りをしてみました。
ユダヤの民の曲、ケーナによるテレマン、マリンバ、スティールパンによるライヒの世界をどうぞ。
2020年6月の満月のopenradioはこちらからご試聴いただけます。
https://www.mixcloud.com/makinakano/openradio-202066-full-moon/
1) Sippur (Masada String)
2) Fantasia No.1 in A major TWV 40-2/Telemann
(Hikaru Iwakawa)
3) Le temps des cerises (Maki Nakano)
4) Electric counterpoint / Steve Reich (Kuniko Kato)
さくらんぼを使った肉団子は、アルメニアとシリア・アレッポの名物です。
Le temps des cerises さくらんぼの実る頃
(arr.piano.voice/ maki nakano)
闘ひし人の夏始む今日の生
対自然、対人間、対…
映像は今インターネット上でどこからでも観ることができる時代。
この方法で、荒川修作+マドリン・ギンズによる三鷹天命反転住宅、個人宅を演奏空間とするセンスに唸りました。
「無料」で作品を提供すると同時に、個々人の選択による課金システムの方法。
これこそが有効な貨幣の使い方そして、直接的なアクションの一歩であると思います。
笹久保伸/死なないためのYEAH!! Vol.4 from Reversible Destiny Radio on Vimeo.
演奏者である笹久保伸さんは6月7日に生ライブ配信をされるそうです。
http://haremame.com/schedule/69093/?fbclid=IwAR0_BMgqmtmblgykTR1ofZP1hxk4LygHfp0RzeCq_L8q1WlUOzLVhU2kzWI
音のある空間へのチャレンジ。
一人で放つ音は、目に見えない複数の人々に必ずや届くと確信しています。