ニゲラと萃点
皐月花溢れる日々の中、どこもかしこもバラ。
それもよし。
ベランダには空へ向けてバラが気持ちよさそうにしています。
失敬しては活け、香りとその姿を身近に置く。
しかしこの季節、この季節にしかないニゲラの宇宙に惹かれます。
花弁が散れば、その中心からたくさんの種が生まれる。
インドではこの種をスパイスとして使います。
一つの花から多数の種が土に還り、また来年。
立体的で、線の細いこの花の構成は、やや大げさかもしれませんが、南方熊楠がいう萃点を彷彿させます。
ダマスのニゲラ。シリアのあの地から伝わったのでしょうか。
バラはその起源をメソポタミア、その後十字軍がヨーロッパに持ち込んだとされているそう。
フリーペーパー、Ovniの取材で中世の町プロヴァンのバラ園を訪ねたのもやはりこの時期でした。
https://ovninavi.com/743balade/
少しだけ見惚れていたひ夏ニゲラ