楢山節考ーアンティラの豪邸
「資本主義の現実の-墓掘人-は、まるでイデオロギーを宗教とした枢機卿のように、妄想に憑かれたままその役目を終えるかもしれない。
いくら戦略に長けていたとしても、彼らには単純な事実が把握できないようだ
ー資本主義が地球を破壊している、ということを。
戦争と消費というふたつの古いトリックで過去の危機を切り抜けてきた資本主義だが、もうその手は効かない。
私は長いあいだアンティラの外に立って、陽が沈むのを見つめていた。
その塔のような豪邸建物が、高さと同じだけ深さを持っていることを想像してみた。
そうするとそれは27階建ての根茎を持っていることになり、地面の奥深く根を張りめぐらして地球から栄養を吸い尽くし、それを煙と金に変えてしまうことだろう。」
ーアルンダティ・ロイ
死の循環という希望ある世界と、飼い慣らされる生の不自由さの世界。
わたしたちの今はハイパーローカル、あるいは鶴見俊輔云う »Extremely Local »である土地土地で、ひっそりとそして揺るぎない生という時間を携える者たちへの眼差しから始まる。
窮屈な自由の果ては首夏に死す