ドゥールーズの中庭で
もう何年も前、ドゥールーズの娘さんと彼女の元旦那さんにお呼ばれした。
そこはパリ下町20区。
あの17区のアパルトマンを離れ同居4世代の最年長者としてサロンに座るドゥールーズの奥さん、ファニー。
映画監督である娘のエミールの寛容性。
現在の奥さんであるモッド。乳のみ児は今中学生に。
女たちに囲まれ、最後までアルコールと喫煙を手放さなかったその男ローランはもういない。
残された女たちのLa vie は今、どこにあるのだろう。
彼女たちが同居するその空間とは、それぞれの玄関が中心にある大木を囲む形になっている。
それは、アフリカの女たちがごはんをつくるあの中庭を彷彿させる。
土と藁でつくった家々に囲まれた中庭には、山羊、鶏の小屋、あちらの樹とこちらの樹にひっかける洗濯ロープ。
社会的距離は体感的距離という呼び名の方がいい。
個体の幻想は今、共生の中に投影されるだろうか。
「すべてが絶えることのない相互作用の中で共存するのだ。」
-千のプラトー- から ジル・ドゥルーズ・フェリックス・ガタリ
Ou bien
「生成変化を乱したくなければ、動きすぎてはいけない」
-記号と事件- ジル・ドゥルーズ