国に生きる、歴史に生きる
異国に生きる者を、生きるその土地の歴史はいつの日か内包するだろうか。
アイデンティティーと出自は往々にセットになっています。
古今このかた移動という方法で生き存えてきた私たちは、アイデンティティーというものが時間軸、あるいは土地土地でアップデートされることを必要とし、
また享受してきました。
そして、少しの変容と共にあるこのアイデンティティーは、出自という記憶と呼応し、命に一層の深みを与えてくれる。
今回のけいそうビルリオフィルの連載「ごはんを作る場所には音楽が鳴っていた」では、オスマン帝国という広汎な土地の中で生きてきた人々に伝わる、キョフタという肉団子です。
肉団子という系譜はスパイスにより展開されるもので、
人類の手と舌の好奇心によって今わたしたちが日常的に食べるものになっています。
ハンバーガーだって、その系譜にはいりますね。
それでは、今手の内にある時間の中で、手でこねて作るという作業をお楽しみください。
オスマン帝国の肉団子・キョフタ -国に生きる、歴史に生きる-
https://keisobiblio.com/2020/04/08/nakanomaki14/
手の中に生まれる命春時雨