moonchild -Voyager 旅人 -
低音の鳴りと、タイトな重層的音のてっぺんにある彼女の声がいい。
バックのフルートの奥行き、シンセと管のバランスが人の耳には心地いい。
要するに、ミックスがいい。
録音物はミックスによってその価値が何倍にも化ける。
西アフリカで録音したあの灼熱の地では、そんなテクニックは使えなかったけれど、
実のところ、演奏者自身の気の利いた楽器の配置と、あの乾いた赤土と藁のおかげでアナログミックス=リアルミックス録音ができたことは言うまでもない。
(機材は暑さで溶けるかと思ったけれど。)
録音物の魅力はこういうところ。
音の震えが、技術者のエゴなしに伝わるか、否か。
それは、純粋性。
月読みの子等の歩きし冬日向