ウイスキーに溺れ、椿落つ
名古屋は本山にあったD・HammettというBarに、一体どれだけ通ったことだろう。
すでに時効だからいえるものの17~19歳の間ひたすら通った。
もちろん同伴者は…
店名である元祖ハードボイルド、ダシール・ハメットの小説は、
未だマルタの鷹以外読んだことがない。
ここで覚えたシングルモルトの美味は舶来物ばかりだったけれど、
余市や秩父を訪れてからは只今現在ひたすら国産物に傾倒。
長野は松本で知ったMarsの駒ヶ岳、越百。郡山の山桜。
欧州でのJapanese Whiskyの流行は留まるところを知らない。
今やIchiro’s Maltも竹鶴12年も手に入れば奇跡。
そこで、最近はめっぽうブルターニュ産の、世界で唯一蕎麦のウイスキーがいい。
その名はEDDU(ブルターニュ語で蕎麦という意味)。
サブタイトルはブロセリアンド=
円卓の騎士、アーサー王物語の舞台となる森。
ストレートで飲むウイスキーの横で、今日もぽとりと椿が落ちる。
友人の親父さんがこんな貴重なテイスティングフラコンを下さった。
今や味見さえもできないであろう。
1967年のHP、MG=宮城峡10年にTK竹鶴21年って…
一般にはもう手に入らないボトルばかり。
やるせない女二人が立ち寄った京都のBarにて。勿論朝まで痛飲。仕方ない。
共に見ぬことなき万朶花散りて