旅する音楽
2010年1月冬。
トルコ・イスタンブールは膝まで積もる雪でした。
まだ秋になったばかりなのに冬の話をするのはおかしいのですが、
その時この地の地理的意味をはっきりと認識したのを覚えています。
それは、温暖な、陽気なイメージを抱いていたトルコという地が、
黒海すぐ北はシベリアからの寒波が覆う土地であるということ。
その雪の中、縁あって一緒に奏でるようになったミュージシャンと録音した
ものが、「旅する音楽 Musique Vagabonde」というアルバムです。
演奏家が演奏することを目的に旅をする。
音楽は国という単位ではくくれない空間をたゆたうようです。
まるで音楽自体が旅をしているように。
だから、音楽のある世界とはヒエラルキーをいう境を融かしていくような、
ジャンルもいらないただただ”鳴る”世界であるようです。
あれから6年。タイトルをどうするか色々と悩みましたが、
結局ここに立ち返りました。
「旅する音楽」
10月7日、せりか書房から発売されます。
http://ameblo.jp/sericashobo/html