ドゥルーズの陽炎を20区の中庭で見て…

離婚した妻との家族、その前妻の母親、そして今ある家族。
88歳から0歳1ヶ月までの人間3世帯が一緒に住む、
という今や貴重な共同生活は、パリであれば尚更。
脚本家のローランは、この共同体をつなぐ55歳にして
4人目の子どもは0歳の乳飲み、の親父さん。
そして年長の、彼にとっての義母はジル・ドゥルーズの奥さんである。

「まるでアフリカの村にいるみたいですね。」と私が言えば、
「その通り、パリのアフリカなの!」と。

離婚後、週に数回父親に会うために子ども達がパリを横断する労力を、
共同生活をすることにより取っ払ってしまうという合理的な生活に、
彼らは舵を漕ぎ出した。
そして老媼となった前出ドゥルーズの奥さんを見守る若い世代。
新しい奥さんとの間の4歳になるデルフィーヌは、
中庭を横切って血のつながっていないおばあちゃんの所へ遊びに行く。
あるいは異母兄弟と一緒に夕飯を食べる。
「子どもは社会に在りて」の実践。
第三者からは見えぬ当事者の、各人の日常を保つ共同への配慮。
ガラス張りの窓に囲まれた中庭を共通項に生活をする人々を、
もしここにドゥルーズ老爺が居れば、どんな眼差しで見ただろう?
そしてこの共同体に彼がおられるならば、
その暮らしの結果からどんな著書が生まれてくるのだろう?
と密かに想像してみる。

彼の著書の半分も読んでいないので、
深淵なるその考察から何かを得たとはいえぬ自分、
これを機にその世界に潜り込んでみたいものだ。
中庭を眺めながら頭をよぎるイメージとフレーズ、それは、
「アフリカは始源から続く人類の完成形」。
こちら相当長い説明必要故、いつか文章あるいは体現という形で試みたい。

「すべてが絶えることのない相互作用の中で共存するのだ。」
      »千のプラトー » から ジル・ドゥルーズ・フェリックス・ガタリ

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蕾が開きだした冬桜の枝は、庭にあるものだろうか

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空間を仕切る、本。というアイデア

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アフリカの布はどんな空間にも、馴染む。

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