モロッコのユダヤ人

15/8 拍子のリズムがタリージャ、ヘレーズによって刻まれる瞬間、
拍子の頭を探し、メロディーの頭を探し、という感覚はなくなるようです。
ただただリズムに心身共委ねて、感覚の中に何かが目覚めたとき、
自然と舞台前方で叩くリズム隊と目が合い、何百年続く »治癒の音楽”と
呼ばれる神秘主義スーフィー教団Hamdchaに伝わるそのメロディーが自然と楽器を
通してでてくるのでした。そして歌い手サラの声が、メロディーに、重なる。
とまあやはりその音を聴かねば伝わらぬこと多々ですが…

またもや舞台の上では、やはり音の神さんが降りる瞬間多々で、
なんど涙が頬をつつったことか。お恥ずかしい。
例えば、 »Bibi Louya »という曲はリーダーであるYoramによるアレジン。
モロッコ組は激しさを抑えたリズムを淡々と叩く。
この曲が始まった瞬間、突然涙が目に溢れた。
本番である今日の今日までYoramはこの曲の由来を楽士達には話さず、
しかし、この曲はユダヤに伝わるメロディーなのだという。

観客に向けこの曲のことを説明した後、私は彼の心の奥にあるユダヤ人である
という »何か »神聖たる想いを見た気がする。
そう、彼はモロッコ人でありユダヤ人であり、イタリア人であり、そして今、
フランス人なのだ。だからこそ »ルーツ »を求める彼の想いは
音楽に投影されているのだ。

信心深いモロッコ人スーフィー教団の楽士を目の前にし、
また彼らと共に限りなくイスラムに基づく伝統的な音楽、
そして実験的な音楽を追求している彼の、この時自身の出自を音楽に託す彼の姿勢が
一気に理解できた。

今日はいよいよアラブ世界研究所での演奏、ヤンラ!!

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演奏前の楽士(Hamdchaの衣装ではなく、みな各々の伝統的モロッコの服で)

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Herrezヘレーズの皮は山羊、
太陽がでていないため人工光で皮を乾かし張りのある音に

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