フランス、大西洋に面した港町、Le Havreに象徴されるものとは。
一に港、 二に漁港 三四がなくて….
人類が舟というものを作ってから、航海の始まりの町として、
人だけでなく「物事」の 交流としてなりたってきたLe Havreは、
現在、「航海人」は、「移民」になり、
法の元で各々の人生が左右されている。
多いに結構、”移民”を使ったアピールをどんどんしてもらいたい。
世界の現状把握として。
アフリカ(ここでの一括りの感じ、がいかにもだけれど)から
コンテナに乗って密入国をする 大家族が、
ある日ルアーブル港のコンテナ置き場で、
赤ん坊の鳴き声によって発見されるのだけれど…
世界の現状を、アキ・カウリスマキ監督がそれを見逃す訳はなく、
2011年に、Le Hevureを撮ってしまった。
いつ=2011年。
観てのお楽しみだけれど、 粗い映像、音の軋み、ディテールの古さ
(あめ玉や、cafeのカウンターに置かれるゆで卵、当時流行ったミュージシャンのLP、etc…)、
それが、 ユーロ札、2009年の恐慌がTVから流れるニュース、
70年代のシトロエンの後ろにブルーのBanque Populairの看板!
が目に飛び込む瞬間まで、 今を生きる私たちは、まんまと彼に騙されます。
覆い隠した現実は、今も淡々と生き続ける問題。
どこの国も、 どこの家庭も、
そしてどの人間にも、問題は、あり続ける。
それを、どのように捉えるか、が、人生なのかもしれない。
不法入国をした家族の少年を、無事イギリスまで送り出すに必要な資金収集のために企てた、連帯コンサートに、実際の(往年の)歌手 Littele Bobが登場する場面は、
ある種の »支援コンサート »とは一線を画す、必要に迫られた、具現的連帯。
至るとこに生きる象徴がちりばめられたこの映画、好きだなあ。
(アフリカの少年の父親を探すのに辿り着いた収容所で、「私はアルビノの家族です」と嘘をつくとこころ!!)
勿論、フランスから世界に輸出される戦争兵器は大凡この港から旅立つことをわすれてはいけない、
それも人道をスローガンにするフランスから。